東証REIT指数は今年1月に年初来高値の1844ポイントに到達しましたが、その後は上値が重く低迷が続いています。一方で、分配金利回りは平均5%を超え、魅力的な水準に達しています。この背景には、円安や日銀の利上げ観測といった複数の要因が関与しています。今後の投資妙味や、REIT市場の回復可能性について考察します。

東証REIT指数(Trading View)
円安と日銀の利上げがREIT市場を圧迫
上場不動産投資信託(REIT)の価格低迷には、外国為替相場の円安進行が影響しています。円安によって海外投資家はREITの購入を控え、需給バランスが悪化しました。特に円安が進行した10月には、海外投資家が再びREITを売り越す展開となっています。
また、日銀による追加利上げの可能性も、REIT市場にマイナスの影響を及ぼしています。円安が続くことで利上げ観測が高まり、借入コストの増加がREITの収益を圧迫するからです。さらに、金利上昇によるコスト増が、REIT全体の収益を下押しするリスクがあります。
REITの底打ち感と今後の期待
しかしながら、REIT市場には底打ち感も漂い始めています。東証REIT指数は高値を超えられずにいますが、分配金利回りが平均5%以上と、割安感が浮上しているからです。特に空室率の低下が賃料上昇を期待させ、オフィス系REITにおいては底を打ったという見方も広がっています。

出典:不動産証券化協会
さらに、年度末を超えることで国内金融機関による売りが収束し、高利回りや堅調な業績が再評価される可能性もあります。J-REITは現在、国内債券の代替としても注目を集めていますが、分配金や基準価額の変動リスクがあることから「株」と「債券」の中間的な性質を理解し、慎重な運用が必要です。
まとめ
REIT市場は円安や日銀の利上げ観測によって逆風にさらされていますが、高い分配金利回りから投資妙味が見込まれます。市場が底を打ち反転する可能性もあり、投資のタイミングを見極めることが重要です。
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