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日経平均が1600円超の大幅高で最高値更新 米イラン暫定合意とAI・半導体ブームが牽引

日経平均が1600円超の大幅高で最高値更新 米イラン暫定合意とAI・半導体ブームが牽引

2026年5月29日の東京株式市場では、日経平均株価が歴史的な急騰を見せました。終値は前日比1636円38銭(2.53%)高の6万6329円50銭に達し、25日以来4日ぶりに最高値を更新しました。

寄り付きから幅広い銘柄に買いが先行し、前引け時点ですでに前日比1203円45銭高の6万5896円57銭をつけていました。午後に入るとさらに勢いが増し、一時は前日比1800円を超える上昇幅を記録し、取引時間中の高値となる6万6505円02銭をつける展開となりました。東証株価指数(TOPIX)も力強い値動きを見せ、日経平均と同様に4日ぶりに最高値を更新して取引を終えています。

上昇の背景①:米イラン暫定合意による地政学リスクの緩和

この歴史的な株高を後押しした最大の要因は、中東の地政学リスクの後退です。米国とイランは60日間の停戦延長と、イランの核開発計画を巡るさらなる協議の開始で暫定的に合意しました。

前日には米軍がイランの軍事施設を攻撃したと報じられ、戦闘収束への期待が一時後退する場面もありましたが、暫定合意の報道によって原油の供給不安が和らぎました。米原油先物(WTI)は1バレル88ドル台と軟調に推移し、4月末と比べると15%ほど安い水準となっています。市場は有事の懸念から解放され、リスクオンへと大きく傾倒しました。

上昇の背景②:米国株の連日最高値更新と物色の広がり

中東の緊張緩和を受けて、前日の米国株式市場も活況を呈しました。ダウ工業株30種平均が前日比24.69ドル高の5万0668.97ドルで取引を終え、ナスダック総合株価指数も242.74ポイント高の2万6917.47と、主要3指数がそろって連日で最高値を更新しました。AI・半導体関連銘柄に加え、これまで敬遠されていた小売関連などの出遅れ銘柄への資金流入も観測されています。1ドルショップのダラー・ツリーや家電量販店のベストバイが四半期決算の好調さも相まって急伸したほか、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)も反発しました。半導体株以外にも物色の裾野が広がったことが米国株全体を下支えし、東京市場における投資家心理の追い風となりました。

個別銘柄の動向とアジア市場の連鎖高

日本市場では特にAIや半導体関連銘柄に買いが集まりました。日経平均を構成する銘柄のなかで上昇を最も強く牽引したのはソフトバンクグループで、前引け時点において1銘柄で日経平均を約327円押し上げました。次いでファーストリテイリング、TDK、村田製作所、イビデンなどが続きました。

特に注目されたのは、データセンター向けAIサーバー用積層セラミックコンデンサー(MLCC)などの需要拡大期待を受けた村田製作所や太陽誘電、TDKといった電子部品株の連騰です。一方でアドバンテスト、ディスコ、レーザーテックなどの半導体製造装置関連の一角には利益確定売りが出ました。

こうした熱狂はアジア市場全体にも波及しました。韓国総合株価指数(KOSPI)が3.4%上昇し、台湾加権指数もTSMCやデルタ電子、鴻海精密工業などに牽引されて2.51%高の4万4732.94をつけ、そろって過去最高値を更新しています。

為替・債券市場の動向と今後の焦点

為替市場では、円相場が1ドル=159円台前半から半ばでの推移を継続しました。イラン情勢解決への期待から有事のドル買いが巻き戻される動きが見られたものの、底堅い展開となっています。財務相は投機的な動きがあれば断固として措置を取ると円安への牽制を改めて示しましたが、市場の反応は限定的でした。市場関係者からは、短期勢が為替介入を期待してドルショートになっている可能性があり、ポジション解消に伴って一気にドル高に振れるリスクも指摘されています。

債券市場では、米国とイランの暫定合意を受けた米長期金利の低下の流れを引き継いで買いが優勢となり、新発10年国債利回りは5ベーシスポイント低下の2.645%、新発5年債利回りも1.875%に低下しました。

日経平均の歴史的急騰は、中東情勢の緊張緩和という地政学的な安堵感とグローバルに広がるAI・半導体への投資ブームが重なり合った結果と言えます。ただし、米イランの暫定合意はトランプ米大統領の最終的な承認待ちであり、イラン側が内容を否定しているとの報道もあるなど不確定要素も残っています。過熱感のある株式市場の動向とともに、為替介入の警戒感や政治・外交的判断の行方に、引き続き市場の注目が集まりそうです。

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