0120-676-638 平日/土日祝 9:00-18:00
資料請求 無料ご相談
ログイン

HOME > 事例紹介 > ファミリーオフィスの資産管理 > 【ご相談】超富裕層への課税強化。保有株式の売却を急ぐべきでしょうか?

【ご相談】超富裕層への課税強化。保有株式の売却を急ぐべきでしょうか?

【ご相談】超富裕層への課税強化。保有株式の売却を急ぐべきでしょうか?

税金よりも先に考えたい、企業オーナーの資産集中リスク

【Q】ご相談

私は60代の会社経営者です。

現在、保有する自社株式の評価額は約30億円、その他の金融資産は約3億円です。
将来的には会社の売却も選択肢として考えていますが、2027年から超富裕層への課税が強化されると聞きました。
税負担が増えるのであれば、早めに売却したほうがよいのでしょうか。

一方で、会社は成長を続けており、売却を急ぐべきか迷っています。
企業オーナーとして、どのような視点から判断すればよいでしょうか。


【A】税負担だけを理由に売却を急ぐべきではありません。まず資産集中リスクを確認することが重要です。

2027年からの超富裕層課税の強化は、大きな株式売却益を得る企業オーナーにとって重要な制度変更です。
しかし、私は税制改正を理由に、売却を急ぐことが必ずしも合理的とは考えていません。

今回のケースで最初に確認したいのは、税負担ではなく、資産の大部分が一つの会社に集中していることです。

2027年から何が変わるのか

日本では、給与所得などには累進税率が適用される一方、株式の譲渡益には原則として約20%の分離課税が適用されます。
そのため、所得の大部分を株式売却益などが占める超富裕層では、所得が増えるほど所得税の実質的な負担率が低下する場合があります。

いわゆる「1億円の壁」です。

この問題への対応として、2025年分の所得から「極めて高い水準の所得に対する負担の適正化措置」が導入されました。

さらに、2027年分からは制度が強化され、追加課税の計算に用いる特別控除額が3億3,000万円から1億6,500万円に引き下げられ、計算上の税率が22.5%から30%に引き上げられます。

ここで誤解してはいけないのは、株式譲渡益に対する分離課税の税率が、一律に30%へ引き上げられるわけではないという点です。

この制度は、株式の譲渡所得だけでなく、給与所得や事業所得なども含む「基準所得金額」を基に、一定の高額所得者に追加的な所得税負担を求めるものです。

また、基準所得金額が1億6,500万円を超えたからといって、必ず追加納税が発生するわけでもありません。

所定の計算による税額が通常の所得税額を上回る場合に、その差額が追加課税されます。

実際の負担額は、所得の種類や規模などによって異なります。

資産の約91%が一つの会社に集中している

今回のご相談では、自社株式が30億円、その他の金融資産が3億円です。

つまり、資産全体の約91%が一つの会社に集中しています。

仮に自社株式の価値が30%下落すれば、単純計算で9億円の資産価値が失われることになります。

もちろん、非上場株式の評価額がそのまま売却可能額を意味するわけではありません。

また、自社株式は単なる投資資産ではなく、経営権や事業の将来とも密接に関係しています。

したがって、資産が集中しているからといって、直ちに売却すべきだという話でもありません。

しかし、ここで考えていただきたいことがあります。

税金を減らすことに意識が向きすぎて、それ以上に大きな資産価値の変動リスクを見落としていないでしょうか。

税負担の軽減効果と、株式を保有し続けるリスクは、分けて考える必要があります。

ファミリーオフィスでは、売却後まで考える

ファミリーオフィスの視点では、企業オーナーの株式売却を、単なる税金の問題として捉えません。

まず、自社株式、不動産、金融資産、現預金などを含めた家族全体の資産構成を確認します。

次に、自社株式の価値が大きく下落した場合、家族の生活や将来の相続、事業承継にどのような影響が生じるかを検討します。

さらに、売却する場合には、その後の資金をどのように管理・運用するかを考えます。

例えば、株式を売却して得た資金を、再び特定の株式や事業に集中投資してしまえば、資産集中の問題は解決しません。

株式、債券、現預金、不動産などへの資産配分を検討し、家族全体として許容できるリスクを明確にする必要があります。

売却は資産管理の終わりではなく、新しい資産管理の始まりです。

この点は、ぜひ意識していただきたいと思います。

売却を判断する前に確認したいこと

私なら、まず次の点を整理します。

  1. 現在の自社株式の評価額と、実際に売却できる可能性のある価格
  2. 会社の成長余地と、企業価値が下落するリスク
  3. 売却によって経営権や事業承継に生じる影響
  4. 売却後に必要となる生活資金、相続資金、資産運用方針
  5. 税理士による売却時期別の税負担の試算

税負担を確認することは重要です。

ただし、税額の比較だけで売却を決めるべきではありません。

【結論】税制が同じでも、その株式を売却したいか

私は、こうした問題を考える際、一つの問いを大切にしています。

「仮に税制が今と同じだったとしても、その株式を売却したいのでしょうか。」

会社の成長余地が大きく、経営を続ける明確な理由があるのであれば、税制改正だけを理由に売却を急ぐ必要はありません。

一方、家族の資産が一つの会社に過度に集中しているのであれば、売却や段階的な資産分散を検討する合理性があります。

重要なのは、税制に合わせて経営判断を変えることではなく、経営と資産管理の方針を定めたうえで、税制の影響を適切に織り込むことです。

税金は重要なコストです。しかし、資産を失うリスクは、それ以上に重要な場合があります。

超富裕層への課税強化を、単なる増税のニュースとして終わらせず、家族全体の資産集中リスクを見直す機会にしたいものです。


本記事について

本記事は、税制改正が富裕層の資産管理に与える影響について、一般的な情報提供と考察を目的としています。掲載する相談内容は架空の事例であり、特定の方に対する税務相談や個別の税務判断を行うものではありません。

個別の税額計算、申告、税務上の適用判断については、税理士等の有資格専門家にご相談ください。

※制度の説明は2026年11月1日時点の公表情報を前提としています。

関連記事

資産運用についてお悩みがあれば、
まずはご相談ください。

私たちファミリーオフィスドットコムは、金融商品・不動産・節税・相続など、あらゆる選択肢の中から、
お客様の価値観や状況に寄り添い、中立的な視点で資産運用をサポートします。
資産に関するお悩みや気になることがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。

無料相談のお申し込み

資料請求 無料ご相談
0120-676-638
平日/土日祝 9:00-18:00
電話ご相談 平日/土日祝 9:00-18:00