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【農中<パートナーズ>長期厳選投資ファンド】著名な米国株投資信託の実力を分析【投資信託マラソン】

【農中<パートナーズ>長期厳選投資ファンド】著名な米国株投資信託の実力を分析【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は「農中〈パートナーズ〉長期厳選投資おおぶね」です。この投資信託はファンドマネージャーが有名であることから、多くの雑誌やメディアで取り上げられているため注目を集めています。そのため、本日はこの投資信託の分析を行います。

お願い

本記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。投資を行う際は、ご自身で判断していただくようにお願いいたします。

投資信託の選定はランダムに行っており、運用会社や販売会社と当社の間に業務提携はございません。中立的な立場からの分析をお伝えします。

投資信託概要

概要

「農中〈パートナーズ〉長期厳選投資おおぶね」は農中アセットが運用しており、米国株式に投資しています。特徴的な点として、NISAの成長投資枠、積立枠両方での投資が可能なため、積立枠で投資する方も多いかと思います。信託報酬は0.99%と、1%を割っています。時価総額は492億円ですが、今後も増加していくイメージがあるファンドです。

今回取り上げた理由です。著名なファンドマネージャーが運用しており、メディアの露出も多く、ストロングスタイルの運用スタイルであることから、興味を持っている方も多いかと思います。

このファンドの特徴は、持続可能なキャッシュフローを創出する能力を有する、構造的に強靭な米国企業に投資している点にあります。集中投資型で約30銘柄に投資を行っていることがわかっています。これらの特徴を聞くだけでも、多くの方が非常に興味を持つでしょう。

チェックポイント

今回のチェックポイントです。

  1. 著名ファンドマネージャーである奥野さんが運用するパフォーマンスはどうか?
  2. どのような長期投資戦略なのか?
  3. 長期で任せることができそうか?
  4. インデックスファンドや他のアクティブファンドとの比較

の、4つを確認したいと思います。

簡易パフォーマンスをご覧ください。5年間のパフォーマンスでは同カテゴリーを上回っていますが、3年、1年では同カテゴリーを下回っています。この情報だけを見るとパフォーマンスが優れていないように思えますが、実際のところはどうでしょうか。

標準偏差は、同カテゴリーを大きく下回っています。年間の値動きを抑えた運用を行っている印象です。後ほど、さらに詳細を分析します。

投資戦略

運用の手法としては、少数銘柄に集中投資を行っています。また、こういったファンドに多く見られるバイアンドホールド戦略をとっており、買った後は長期で保有することを目指しています。

長期投資を行っていること、銘柄の選定を行う際に原則として面談を行った上で投資判断をしています。企業、および経営者の質を確認していることがわかります。

構造的に強靭な企業への投資することを謳っています。構造的に強靭な企業という言葉は登録商標となっており、強い信念があることが改めて確認できます。

選定基準は3つあります。1つ目は付加価値が高い産業です。社会的に意義のある産業、商品やサービスの提供を通じて様々な問題を解決する社会的な意義のある企業かつ、付加価値の高い企業を選んでいます。

2つ目は、圧倒的な競争優位を持つ企業です。高い技術力や独自のサービスを通じて、他社に真似できないモート(お堀)があり、他社が超えられない産業障壁を持つ企業です。

3つ目は長期的な潮流です。高齢化問題や環境問題など社会構造の課題点を解決し、市場の拡大が見込める企業が選ばれています。

これだけを見ると、非常に長期投資に適した銘柄選定がなされているように見え、期待感が持てます。

投資銘柄

集中投資が行われていると謳っていますが、意外に分散を効かせたスタイルとの印象を持ちました。設定来30銘柄に絞り、集中投資を行っています。構造的に強靭な企業を選別した結果、ポートフォリオは主要指標であるS&P 500とは異なり中小型株が中心となっていることがわかりました。例えばトップ2にはコストコ、インターネットコネクト最大手のアンフェノールが入っています。

S&P500の一般的なポートフォリオで言えば、マイクロソフト、Apple、エヌビディアが並んでいますが、そういったものとは大きく異なることがわかります。

こういった2つの組み入れもありますが、一方でビザ、ウォルト・ディズニーなど、従来の大型株もしっかりと入り、分散を効かせている印象です。それ以外にも全米ナンバーワンのスパイスメーカーであるコミックが6番目に入るなども、ファンドの判断基準が反映された結果でしょう。

投資を行った銘柄には長期投資を徹底しています。売買回転率はほぼ1を下回っており、基本的にはバイアンドホールドとなっています。

ただ、面談などを通じて売買を行うことがあるようで、最近では全株式を売却したケース、新規投資1件と、きっちりと分析しながら入れ替えを行っていることがわかります。

銘柄の分析を行った後、現地に70社程度訪問して経営陣と面談を行い、投資判断をしています。面談結果も専用サイトで公開している、非常に開かれた投資信託との印象を受けます。

銘柄選定はかなり独自性が強く、S&P 500の構成比率とは明確に異なる特徴があります。この点がパフォーマンスにどう活かされるかが注目です。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

パフォーマンスは低いボラティリティが目立ちます。集中投資型のファンドで中小型株となればボラティリティが大きくなりがちですが、このファンドでは値動きが小さく抑えられています。

株式ファンドの平均的な値動き(リスク)は約20%ありますが、このファンドは常に15%とシャープレシオが常に1を超えています。投資効率が非常に高いことが目につきます。

リターンは過去のデータを見ると、世界株に対してほとんどの期間で上回っています。右のチャート、赤が当該ファンドの基準価格、青が世界株ですが、赤が上回っていることが確認できるかと思います。

ほとんどの期間で、世界株平均を円ベースで上回っています。5年前と比較すると10%弱世界平均を上回っていることがわかります。

中小型株に投資しているとのことですから、米国の中小型株の指標であるラッセル2000と比較しても、その差は歴然としています。過去5年間で30%、3年間で20%と大きく上回っていることがわかりました。

一方で、S&P 500との比較ではアンダーパフォームしています。大型グロース株が強い時期、S&P500が強い今のような時期は、中小型株中心のポートフォリオのため、アンダーパフォームしがちな傾向があります。最近の傾向としてはS&P 500よりも低いパフォーマンスを示していますが、世界株やラッセル2000に対して上回っていることがわかりました。

短期的に比較した場合、そこまで大きな超過リターンを狙うファンドではないですが、値動きが小さく抑えられている点は、長期的に見たときにパフォーマンスに良い影響を与えると考えられます。今後の中長期的なパフォーマンスには期待が持てると言えるでしょう。

また、S&P 500に対してはアンダーパフォームしていますが、最近の市場ではラッセル2000と比較しても、S&P 500が大きく上回る状況が続いています。ただ、大型株と小型株にはサイクルが存在し、そのサイクルに応じて優劣が変わります。現在はS&P 500にアンダーパフォームするファンド構成のため、それは致し方ないかと思います。小型株のベンチマークであるラッセル2000をファンドが上回っているかどうかの方がポイントではないでしょうか。

資金流出入

資金流出入です。資金の流入が大きく増えています。そこまで大きな額ではないですが、徐々に浸透してきているイメージがあります。

評価

評価は4となります。S&P 500に対してアンダーパフォームしており、大型株中心のファンドとして見ると星4つとはなりません。ただし、中小型株のカテゴリーとなればラッセル2000、世界株を上回っていますから、小型株、バリュー株のアクティブファンドとしては安定的で優れたファンドだと判断しました。

このファンドをどのようにご自身のポートフォリオに組み入れるか、大型株の代替として選択するのか、それとも中小型株として取り入れるのかによって評価は若干変わる可能性があると思います。評価は3.5~4.5の範囲で変動するのではないでしょうか。

本日は農中が運用しているおおぶねという、非常に有名な投資信託を確認しました。全米株の中で長期的に投資できる銘柄を3つの基準で分析しています。その結果、S&P 500には最近アンダーパフォームしていますが、ラッセル2000を上回る成績を示しています。中小型株として投資を考えている方、長期的な投資を検討する方にとってはシャープレシオが非常に高くリスクも抑えられているため、検討する価値のあるファンドであるとの印象です。ぜひ他のファンドと比較して検討いただければと思います。

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