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【グローバルヘルスケア&バイオ・ファンド「愛称:健次」】優れた長期パフォーマンスに注目!【投資信託マラソン】

【グローバルヘルスケア&バイオ・ファンド「愛称:健次」】優れた長期パフォーマンスに注目!【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」(愛称:健次)という、ヘルスケアとバイオ分野の世界株に投資するファンドを分析します。

このファンドは非常に優れた長期のパフォーマンスを残しています。どのような銘柄選定をしているのか、どのような戦略を立てているのかを見ていきたいと思いますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事は、あくまでも情報提供を目的として作成されています。投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではございません。また、取り上げている投資信託はランダムに抽出されたものであり、運用会社や販売会社と当社の間における業務提携等は一切ございません。あくまでも中立の立場でお伝えします。

投資信託概要

概要

「グローバル・ヘルスケア&バイオ・ファンド」(愛称:健次)は、三菱UFJアセットマネジメントが運用を行う世界株です。NISA成長枠での投資が可能で、信託報酬は2.42%です。信託報酬が2.42%と高めであるため、このコストを含めていいパフォーマンスを残せているかどうかが注目です。また、特化型のファンドにしては2676億円と大きな純資産総額です。

ファンドの特徴です。世界の主要先進国の中から製薬会社やバイオテクノロジーの会社、医薬製品、医療健康サービスなど、いわゆるヘルスケア・バイオに関わる企業に分散投資を行っています。今後人口増加が予想され、高度医療が求められ、また、新たな感染症など様々なことが起こりうる環境が想定される中において、ヘルスケアやバイオ分野は非常に重要なセクターであることは間違いありません。

投資先としては今後の事業見通しや新商品の見込み、企業戦略、競争力などを重点的にボトムアップリサーチした上で、長期的にバリューのある企業に投資を行う、いかにもアクティブファンドらしく、革新的な医療薬品や進化する医療機器に強みを持つ企業に特化し、集中的に投資を行っています。

本日のチェックポイントです。グローバルファンドと比較して、業種特定ファンドへの投資をわざわざ行う必要があるのか。長期に安定したパフォーマンスが見込めるかどうかを確認します。

簡易パフォーマンスです。トータルリターンで見ると、同カテゴリーとほぼ同等の結果となっていますが、ここ1年では若干アンダーパフォームしています。リスクは1年、3年、5年、10年全てでマイナスとなっており、業種特化型のファンドであってもリスクコントロールに努めていることがわかります。しかし、数字だけを見ると、一般のファンドよりも若干高めのリスクであることは否めません。

投資戦略

運用はウエリントン・マネジメント・カンパニーが行っています。ウエリントンは、世界最大規模を誇るプライベート(非公開)の独立系資産運用会社です。1928年に創業、米国・ボストンに本拠地を置いています。長年にわたり長期の視点に立ち、高い専門性と強固な運用基盤のもと、世界の金融市場で多様な投資機会を追求してきました(抜粋:ウエリントン・ホームページより)。

さて、この会社は運用力が高いことで知られており、非常に歴史のある企業です。世界中の富裕層をサポーポートするファミリーオフィスが運用を行う場合、ウェリントンが運用するファンドに預けているケースが多いと思います。とても有名な運用会社です。

では、当ファンドの投資戦略はどうなのでしょうか。この企業がヘルスケア関連の株式を選別しているため、高い選定能力が期待されます。

製薬会社やバイオテクノロジー企業、医療製品、医療サービス、健康サービスの中から、革新的な技術や他社との違いを持つ企業をボトムアップで選定して投資を行っています。個別の選定能力の強さがファンドのパフォーマンスに反映されることがわかります。

銘柄戦略

銘柄は約70と、適度な分散を図りつつも集中投資を行っている印象です。30や40銘柄と集中し過ぎず、100銘柄と分散しすぎることもない、適度な分散を利かせつつ集中投資を少し行っているほどよいバランスです。

国別の分布を見ると、アメリカが75%、残りは日本と欧州となっています。個別銘柄の組入を見ると、ユナイテッドヘルス・グループ(アメリカ)、イーライ・リリー、メルク、アストラゼネカなど、世界的なヘルスケア企業が上位に並んでいます。このように一見、よく知られた企業が並んでいますが、その中でも革新的な技術があるかどうかを注視しながら投資しているとのことです。

この業種では、バイオテクノロジー技術の発展、医薬品、医療サービスへの価格抑制圧力が企業間のグローバルな優勝劣敗をもたらすと予想されています。世界的な価格抑制の流れの中でも、クオリティ、技術によって優劣が明確になる状況が予想されているため、個別銘柄の選定が非常に重要だと言われています。

投資手法としては、基本的にバリュー投資を行っています。もともと、このセクターはバリュー投資が中心となるセクターです。銘柄の入れ替えは、大胆な銘柄入れ替えというよりも、値上がりした銘柄を売却し、割安になった銘柄を買い増しするリバランスを基本としています。

売買の回転率は1程度となっており、ポートフォリオの比率調整が主な運用手法となっていることがわかります。ノボ・ノルディスクの新規組み入れを行い、イミュノジェンを全売却していますから、銘柄の入れ替えを全く行っていないわけではありませんが、基本的にはリバランスを中心として微調整を行うファンドスタイルと言えます。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

短期的なパフォーマンスはあまり芳しくありません。例えば過去5年間では世界平均よりも40%以上、過去3年では30%以上アンダーパフォームしています。右のチャートをご覧ください。青いチャートが世界株、赤いチャートが基準価格(配当込み)ですが、どちらもアンダーパフォームしている状況です。これは、最近のグロース株がバリュー株をオーバーパフォームしている短期的な流れが影響しています。

一方で、セクターの特性上、2020年のコロナショックによる下落時には下落に対する耐久度の高さを発揮しました。しかし、その後のリカバリーでは市場平均全体には追いついていない状況です。最近のマーケットはグロース株を中心に資金がシフトしているため、バリュー投資を行うファンドはどうしてもアンダーパフォームしてしまいます。

このように業種全体の動きの影響が出ていることもありますが、ヘルスケアと一言で言っても個別の動きは銘柄ごとに動きが大きく異なります。つまり、銘柄選定の結果が最近の株価上昇が芳しくない原因の一つであることも間違いありません。

特に製薬企業の株価は、治験や新薬開発の動きによって大きく変動します。新薬の発表や承認が株価に大きく影響するため、短期的にはなかなか成果が出にくくなっています。銘柄選定、発掘を行って短期間で成果を得るのは難しいため、バイオ系やヘルスケアファンドは特に中長期で見る必要があります。

中長期のパフォーマンス

中長期のパフォーマンスを見ると、投資先の全銘柄が主要なヘルスケア関連やバイオ関連の銘柄にしっかりと投資していることがわかります。リバランスも割安感に応じて行っているため、業種全体が好調な局面ではしっかりとパフォーマンスを上げられています。

ボラティリティの高い動きをするセクターのため、ポートフォリオの中心に据えるファンドというよりは、今後の業界の成長と期待とともに長期保有するサテライト的なファンドといえます。

注意点は、アクティブファンドの中でも信託報酬が高いことです。今後のパフォーマンスに影響を与えないかどうかは、しっかりと見ていく必要があります。

次に長期のパフォーマンスです。グローバル・ヘルスケア&バイオファンド(愛称:健司)が青いチャート、MSCIのコクサイ・インデックス(円建て)が緑のチャートです。

約20年のチャートを見ると、MSCIのコクサイ・インデックスと比べても、このファンドはしっかりと長期でパフォーマンスを残せています。3年、5年のパフォーマンスはあまり芳しくありませんが、長期的には上昇局面を捉えていることも事実です。長期保有をお考えの方、今後ヘルスケアセクターが伸びていくと考える方には適しています。

資金流出入

資金流入が続いていることがわかります。今後バイオ、ヘルスケアセクターが欠かせないと考えている投資家が、積極的に投資を行っているためだと思われます。

評価

評価は4となります。ヘルスケアセクターがグロース中心のマーケットで苦戦していることは事実です。短期的に見れば劣っている部分があるものの、長期的にはしっかりとしたパフォーマンスを残せています。特にこういったセクターは短期的なボラティリティが高いですが、新薬の発表などがあると企業の業績が大きく伸びます。長期的な視点で見ると、個別選定の能力が高いことが見えてきますので、評価は4となりました。

本日は、ヘルスケアとバイオに特化したファンドを見てきました。短期的にはグロース株に劣る局面がありますが、長期的には非常に優れたパフォーマンスを残しています。ヘルスケアやバイオは今後も長期的に欠かせないセクターだと考える方は、こうした特化型ファンドをサテライトとして一部保有すれば、全体のポートフォリオのパフォーマンスが向上する可能性があります。バイオ、ヘルスケアに興味がある方は、他の特化型ファンドと比較しながら分析を進めていただければと思います。

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