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【日興 中小型グロースファンド】長期で高いパフォーマンスを実現している理由が判明【投資信託マラソン】

【日興 中小型グロースファンド】長期で高いパフォーマンスを実現している理由が判明【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、日興・中小型グロース・ファンドという、日本株の中小型株に投資するファンドを分析します。ファンドの評価会社から非常に高い評価を受けており、長期間にわたって高いパフォーマンスを残しています。今回の分析を通じて、高いパフォーマンスを実現できている理由を分析していきます。ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。当記事は情報提供を目的として作成されており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。また、取り上げている投資信託についてはランダムに抽出を行っており、運用会社や販売会社と当社の間に業務提携等は一切ございません。あくまでも中立な立場でお伝えします。

投資信託概要

概要

概要です。日興中小型グロース・ファンドは日興アセットマネジメントが運用しています。日本株ファンドで、NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は2.06%、純資産総額は117億円です。

特徴です。日本株の中小型に投資を行うアクティブファンドです。運用方針としては、時価総額2000億円未満の銘柄に投資を行うとありますが、実際には2000億円以上の銘柄も含まれています。

個別企業の訪問などを通じて徹底的に企業の分析を行います。また、ニッチなビジネスに参入する新興企業や、ビジネスモデルの再構築を進める再生企業を選好しています。銘柄を幅広く分散させてリスクをコントロールしつつ、売買も機動的に行うことも、方針として掲げられています。

日本の中小型株には、創業間もない新興企業、古くからある老舗企業が多く存在します。そうした銘柄にフォーカスを当てて投資を行っています。

企業訪問を通じて、数値に表れない定性的な分析を行うことも、このファンドの特徴となっています。

チェックポイントです。なぜ高い評価を受けているのか、長期で安定したパフォーマンスが出せているかを分析します。

簡易パフォーマンスです。同カテゴリーのファンドを全ての期間で大幅に上回っており、リスクも同じカテゴリーを下回っています。リスクをコントロールしつつ高いリターンを実現できていることがわかりました。

投資戦略

ファンドの特色としては、中小型株に投資していること、業績モメンタムの顕著な拡大が見込まれる銘柄を抽出していること、中小型株に独自の調査を行い、値上がりが期待できる銘柄を選定していることが挙げられます。

このファンドが、業績モメンタムに注目する理由です。創業期においては業績が拡大します。この局面に投資すると値上がりを狙うことができるため積極的に投資を行っています。ただ、企業は大きく成長した後に成熟期に突入し、競争が激化します。その結果、商品や製品に対する消費者のニーズが変化し、社会自体が時間の経過とともに変わってくるため、ビジネスを再構築しないと企業価値が損なわれる可能性があります。こうした変化への対応に真剣に取り組む企業は、再び業績が拡大し最盛期に入ります。努力が実って新しい製品、サービスを提供され、業績のモメンタムが再拡大し、創業期と同じような角度で業績の拡大が始まります。このファンドは、創業期、最盛期の2つのタイミングを狙うことを目的歳、業績モメンタムに注目しているのです。

新興企業、老舗企業の中で新たにビジネスモデルを構築し、最盛期に入る企業に投資を戦略をとっていることがわかりました。ファンドマネージャー、世界で成功する投資家は、変化率が大きい企業を選びます。評価が落ちた後、変化が生じる際には株価が大きく上昇します。そこをしっかり捉える戦略を採用しているのです。

銘柄戦略

銘柄戦略です。ポートフォリオは160を超え、非常に分散が効いています。それだけ業績のモメンタムが良くなる銘柄があると言えるのかもしれません。

1つ1つの銘柄は同じような配分になっています。普通、上位銘柄といえば6~7%の配分となりますが、このファンドでは1%前後と、均等に分散されているイメージです。

売買の回転率は5倍と、かなりの頻度で売買を行っています。業績モメンタムがピークを迎えた後は、銘柄の入れ替えがなされています。直近の具体例としては、今後の業績に不透明感のある銘柄や株価上昇により当面の上昇余地が薄れてきた銘柄(小売業、情報・通信業の一部)を売却しています。

一方で、今後の業績改善が見込まれる銘柄や株価水準が割安と考えられる銘柄(小売業、建設業の一部)は買い付けを行っています。組み入れ銘柄も多いですが、それ以上に頻繁に銘柄入れ替えが行われていることがわかりました。2000億円以上の銘柄が29.8%で、銘柄も山口県の銀行や四国の銀行など、あまりフォーカスされていない企業に注目していることがこのファンドの特徴です。

ファンドパフォーマンス

パフォーマンス

短期のパフォーマンスはばらつきが生じることがあります。パフォーマンスも独特であり、銘柄選定が独特です。市場全体のTOPIX、中小型に絞った指数であるTOPIX Smallと比べても異なる動きをしています。

2020年や2021年は非常に好調で、市場よりも20~30%上回るリターンを挙げていました。ただ、直近では不調が続き、下落が大きくなっています。過去3年間では、TOPIXに比べて20%以上下回り、不調なTOPIX Smallに対しても10%下回るなど、インデックスを下回るパフォーマンスになっています。短期的にはばらつきが見え、あまり良くないパフォーマンスと言えます。

しかし、10年の長期で比較すると、TOPIXに対して+23.94%であるのに対し、同カテゴリーファンドに対しては+63.21%です。マーケットの環境にプラスアルファをもたらせるファンドとわかります。

リスクは15%程度とやや高めですが、シャープレシオは1を下回っているため、資金効率が決して高いわけではありません。ファンドの売買頻度の高さやポートフォリオの構成を見れば、パフォーマンスは市場全体の動きよりもファンドの運用次第です。マーケット環境よりも、このファンドの銘柄選定や業績の伸びがパフォーマンスに直結しています。資金効率が悪い部分もありますが、銘柄選定がうまくいけば今後のパフォーマンスは向上が期待できます。

この辺りはアクティブファンドの真骨頂とも言えますが、最近の動きを見る限り、好不調にばらつきが見られます。

このファンドが重視する業績モメンタムの再拡大がファンドパフォーマンスに影響を与えるには、ある程度の期間を想定しておく必要があります。長期で見ると、このファンドはパフォーマンスを残しています。業績モメンタムが再拡大するためには、評価を受けるまでにある程度の時間がかかります。短期的にマーケットが強い時にはアンダーパフォーマンスする局面もありますが、長期投資で見ないと、このファンドの良さが出てきません。業績モメンタムに注目しているユニークな特徴が生かされるには、10年単位で考える必要があると言えるでしょう。

長期的には力を発揮する能力がありますから、現在のシャープレシオの低さ、最近のパフォーマンスを上回る可能性を秘めたファンドです。

10年パフォーマンス

当ファンドは青いチャート、中小型ファンドの平均が緑チャート、TOPIXは赤チャートです。10年間のパフォーマンスは安定的に上回っていることがわかります。最近大型株が非常に伸び、TOPIXが大きく上昇していますが、長い期間で見ると、中小型株の業績が上がる銘柄を持つことの意味が、パフォーマンスからは見えてきました。

資金流出入

ここ最近は流出があったり流入があったりですが、やや流入超程度となっています。

評価

評価は4です。個人ではなかなか保有できない銘柄をファンドの中に組み入れている印象です。業績モメンタムが市場で評価されるまでには、ある程度の時間がかかります。個人が個別銘柄に投資を行うということは、それだけの期間で資金が寝る可能性があるため、長期投資は難しいと感じる方も多いと思われます。このファンドを通じてそういった銘柄を保有することができるという点を評価しています。

短期的なパフォーマンスは、ばらつきがあるものの、長期で見るとしっかりとパフォーマンスを発揮していることから、評価を4としました。インデックスをしっかりと上回っているため、アクティブファンドとして保有する意味があると感じます。

本日は、ファンド評価会社から非常に高い評価を受ける、日本の中小型株に投資するファンドを分析しました。業績モメンタムという観点で、創業期と第2の創業期(最盛期)にフォーカスを当てていることは、アクティブファンドらしいと言えます。

ただ、アクティブファンドにはこのような特徴を持ったファンドが他にもあります。ぜひ比較して、自分の運用スタイルに合ったものを選んでいただければと思います。

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