8月13日(火)に発表された米国の7月卸売物価指数(PPI)は前月比0.1%の上昇にとどまり、インフレ圧力が緩和されつつあることを示しました。モノの価格上昇がサービス価格の低下によって相殺され、前年同月比では2.2%の上昇となりました。これは市場予想を下回る結果であり、FRBが9月に予定している会合で利下げを決定する可能性を高める材料となるでしょう。今回のPPIでは、FRBが注目している個人消費支出(PCE)価格指数の算出に利用される項目も良好な結果を示し、物価安定よりも労働市場に重点を置いた政策運営が期待されます。
翌14日(水)には、米労働省が7月の消費者物価指数(CPI)を発表。CPIは前年同月比で2.9%上昇し、市場予想の3.0%をやや下回りました。エネルギーと食品を除くコア指数の伸びも鈍化し、前月比では0.2%の上昇にとどまっています。この結果を受けて、FRBが9月に利下げを開始する可能性が高まり、金融市場では利下げの実施をほぼ確実視しています。FRBの目標である2%前後での物価安定が達成されつつあり、米経済の軟着陸に対する期待感が高まっているのです。
7月初旬の急落で動揺していた米株式市場も、CPIの結果を受けて落ち着きを取り戻し、14日のNYダウは4万ドル台を回復しました。市場の不安心理を反映する恐怖指数(VIX)も16台まで低下し、インフレの鈍化が確認されたことで投資家心理が改善しています。現在、FRBの利下げに対する市場の期待は高まっており、8月22日から24日にかけて開催されるジャクソンホール会議では、FRBの今後の政策方針に注目が集まります。
金融市場では、FRBの物価安定目標が達成されつつある中、9月17・18日のFOMCでの利下げの可能性がほぼ確実と見られています。ただ、米経済の軟着陸が実現できるかどうかが最大の懸念材料です。今後の注目点は、7月30日の個人消費支出(PCE)と9月6日の8月雇用統計で、これらの指標が経済の動向を示す重要な要素となるでしょう。
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