今週は、2024年10~12月期の米国ハイテク企業の決算発表に注目です。特に、投資家は過去の実績以上に、2025年1~3月期や通年の業績見通し、さらには設備投資計画に関心を寄せています。一方で、中国のAI企業DeepSeek(ディープシーク)の技術革新が、米国市場に大きな衝撃を与えており、AI関連株の動向が引き続き注目されます。
2025年設備投資計画が示すテック企業の成長戦略
メタ・プラットフォームズは 2025年の設備投資計画として、600億~650億ドルを発表しました。この数字は市場予想の510億ドルを大きく上回っており、AI分野への積極投資が今後の成長に寄与すると見込まれています。しかし、設備投資の増加は短期的な利益を圧迫する可能性があるため、株価にどのような影響を与えるかが注目されています。
マイクロソフトやテスラなどの主要テック企業も1月29日(水)に決算を発表予定であり、アップルやインテルは翌日の1月30日(木)に続きます。これらの企業の設備投資計画や成長戦略が市場に与えるインパクトに注目です。
DeepSeek(ディープシーク)ショックが揺るがすAI関連株
中国のAI企業ディープシークが発表した低コスト生成AIモデルが、米国の金融市場に波紋を広げています。この技術革新により、AI半導体大手エヌビディアの株価は27日に17%下落し、単一銘柄として史上最大の下落額を記録しました。この影響で、ナスダック総合指数は3%下落し、1日で1兆ドル以上の時価総額が消失しました。
また、エヌビディアだけでなく、アルファベットやマイクロソフト、ブロードコム、アーム・ホールディングスなどの主要ハイテク企業も軒並み値下がりしています。一方で、セールスフォースやアップル、メタ・プラットフォームズの株価は堅調に推移しており、市場全体への影響は限定的との見方もあります。
DeepSeek(ディープシーク)の技術がもたらす可能性と課題
ディープシークが開発したAIモデルは、性能が低い端末でも動作可能な軽量型の技術です。これにより、スマートフォン業界や大規模言語モデル(LLM)の汎用品化が加速するとの期待が高まっています。しかし、開発コストが約600万ドル、期間が2か月と短期間であった点について、セキュリティや技術の信頼性に関する懸念も指摘されています。
また、米国主導のAI開発の構図が変わる可能性がある中、NVIDIAの高いPERや過熱感が売りを誘発した側面も見逃せません。今後の市場変動が短期的に収束するか、あるいは長期化するかは、数日間の動向が鍵を握るでしょう。
今週のハイテク株の注目ポイント
米国主要テック企業の決算発表が続く今週、市場の注目は業績見通しや成長戦略に集まっています。同時に、ディープシークの技術革新がAI市場にもたらす影響は、長期的な競争環境を大きく変える可能性を秘めています。短期的な市場のボラティリティに警戒しつつ、今後のテック株動向を注視する必要があるでしょう。
- 1月29日(水): マイクロソフト、メタ・プラットフォームズ、テスラ
- 1月30日(木): アップル、インテル
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