日本株先週の振り返り
先週(5月7〜9日)の東京株式市場では、日経平均株価が上昇し、3月末以来の3万7500円台を回復しました。週を通じて672.64円(1.83%)上昇し、3万7503.33円で取引を終えています。連休明け初日の7日は、トランプ大統領の強硬な関税発言や米株安を受けて下落しましたが、米中高官によるスイスでの貿易協議報道を受けて持ち直し、小幅安にとどまりました。翌8日は、FOMC通過とトランプ大統領による貿易協定発表予告により市場に安心感が広がり、さらにAI向け半導体の輸出規制撤回報道を背景に、半導体関連株が上昇。アドバンテストなどが買われ、日経平均も反発しました。最終日の9日は、米英間の貿易協定締結報道を好感し、投資家心理が改善。10〜11日に予定される米中協議への期待も追い風となり、日経平均は大きく値を伸ばしました。
日本株今週の見通し
今週(5月12日〜16日)の日経平均株価は、週末に行われる米中貿易協議の結果に左右される展開となりそうです。両国の歩み寄りによる合意は難しいと見られる一方で、協議継続が確認されれば市場に安心感をもたらし、投資家心理の改善につながる可能性があります。トランプ大統領は就任100日を迎え、中国への145%の関税を50%に引き下げる検討に入ったとの報道もあり、市場では一部で緊張緩和への期待が広がっています。米中関係の改善が意識されれば、売り込まれていた半導体関連株などに見直し買いが入る可能性もあります。一方で、来週は企業の決算発表がピークを迎えます。IHIの急騰やバンダイナムコHDの下落など、決算発表の内容によって株価が大きく動くケースが目立っており、全体としては様子見姿勢が広がりやすい局面といえるでしょう。ただ、決算を通過した銘柄への選別的な買いも強まりそうです。
今週の為替注目点
ドル円相場は、6〜7日のFOMCを受けて底堅い動きを見せています。パウエルFRB議長が記者会見で「利下げを急ぐ必要はない」と発言したことから、市場では早期利下げ観測が後退しました。米国の関税政策に対する不透明感が続く中、FRBは当面の金融政策の変更を見送る可能性が高く、これがドルを支える材料となっています。一方で、トランプ大統領によるFRBへの圧力が強まるかどうかは引き続き注視が必要です。現時点ではFRBの独立性は保たれているものの、トランプ大統領の発言次第で市場が揺れる場面も予想されます。また、注目すべきは米中間の通商協議です。10〜11日に予定されているスイスでの米中高官会談では、交渉進展への期待が高まっていますが、中国側は「対等で互恵的な対話が前提」としており、アメリカ側に一定の譲歩も求めている状況です。経済指標面では、13日の4月CPI、15日のPPI・小売売上高・地域連銀景況指数、16日のミシガン大消費者信頼感など、重要なデータが相次ぎます。これらが利下げ観測やドルの方向性に影響を与える可能性が高いため、為替市場の反応に注意が必要です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
米国株や米金利見通しについては毎週月曜日に無料メルマガで配信しています。
以下のURLよりご登録ください。
関連記事
2024.08.25
プロフィギュアスケーター 鈴木明子さん対談企画。失敗しないポートフォリオ運用について
2大会連続のオリンピック出場、2013年全日本選手権優勝、2012世界選手権銅メダルなど輝かしい...
- プレミアム・ファミリーオフィス
- 投資
- 資産運⽤サポート
2025.05.10
米中貿易交渉に左右される展開!【日本株・ドル円 週間見通し】 5月10日号(5月12日〜5月16日)
[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 今週の為替注目点 日本株先週の振り返...
- 資産運⽤サポート
- 金融
2025.05.08
ビットコインと金価格が連動して上昇している理由
2025年春以降、ビットコインと金の価格が同時に大きく上昇しています。背景には、地政学リス...
- 資産運⽤サポート
- 投資