ファミリーオフィスをつくりファミリーの資産管理を永続的に成長させる。
これがファミリーオフィスの究極的な目的です。
しかし、チームの作り方を間違えてしますと、混乱を招き、課題が増えるだけになる可能性があります。正しく、ポイントを抑えておく必要があります。
私たちは、いままで多くの資産管理に関するご相談を受けてきましたが、相談内容を聞いているとその多くは対策の手段ありきで目的が定まっていないことが多いように感じています。
まずは、ご自身の資産管理について現状と将来の課題分析を行い、目的を達成するための課題を明確にすることが不可欠です。
さらに、現在の課題と将来の展望も含めて包括的に考える必要があり、
・機関 :どこの機関を利用するのか
・期間 :どの程度の期間的猶予があるのか
・専門家:どの専門家に相談すればいいか
・手法 :そのような手法を用いるか
・費用 :どの程度の費用が正しいのか
・確認 :どこにセカンドオピニオンを頼むのか
などを含めてプランを定めていく必要があります。
とろこで、欧米のような完全型のファミリーオフィスは、資産管理的には理想的な運営といえますが、実際には、専属スタッフを永続的に雇い、報酬や運営コストを固定で負担するということは誰もが気軽に利用できるものではありません。
そのような背景もあり、ファミリーオフィスの強みである専門性の高い人材を案件ごとに雇い、チームを課題ごとに作り対応していくような簡易的ファミリーオフィスが資産家から求められるようになってきました。
簡易的なという言葉ではありますが、実は大きな成果を得ることができます。
1)運営管理が不可欠
運営管理役がいるから短期間で高い成果を上げることができる。
資産管理を行うには、複雑に絡み合う問題を計画的に解きほぐし解決していく必要があります。その運営の進捗管理や修正を行うには、チームのコーディネーター役を務める担当がいるかいないいか、これがとても大きなポイントになります。
コーディネーターがいることで、簡単にできるだけの対策する「虫食い的な対策」になることを回避できます。専門家の意見や対策案を集約して、その中で最適な案を選ぶという対策の交通整理をすることで大きな効果が得られます。
2)実績を踏まえた紹介
世の中にすべて共通することではありますが、専門家が持つすごい知識や手法は、仕事を委託して初めて知ることになります。依頼して着手するまでは、能力が未知数な場合が多いものです。
だからこそ、ファミリーオフィス作る場合は、実際に依頼したことのある人からの口コミや知り合いからの紹介を頼る人が多く、その結果、期待通りの効果を得られています。残念ながら、経歴では能力は測れず実績で判断するべきです。
3)内部牽制を働かせる
複数人の専門家で作る簡易的なファミリーオフィスでは、各専門家の役割や手法をお互いに共有することになります。そのため、「お互いがお互いの対策について議論できる」チーム体制を構築され、互いに内部牽制機能が働き、最適な対策が選ばれる仕組みになっています。
このようにファミリーオフィスは、形式問わずとても効果的な資産管理手法といえます。ファミリーオフィスという言葉を意識していないにしても、自然にご自身のネットワークで専門家チームを作って上手に運営されている方もいます。
一方で、折角チームを作っても運営管理者がいなかったり、内部牽制が働いていない場合に運営がままならないケースも多く見てきました。
最も多く見られる問題は、知り合いに専門家を紹介してもらえないということです。良い人材を友人間で共有するとは限らないでようです。これは、独占欲というわけではないとおもいますが、自分の行なっている資産管理などが伝わってしまうのではないかと思われることなどの理由があるようです。
ここまでファミリーオフィスの設立のポイントを紐解いてきましたが、大きく3つの注意点が見えてきました。
注意その1 | 管理運営者を見つける必要がある |
注意その2 | 専門家を探すコツは、経歴ではなく実績と口コミで選ぶ |
注意その3 | チーム内で意見を集約して最適な案を選ぶ仕組みが必要 |
まずは、これらポイントでご自身の相続対策、事業承継、資産管理に備えてみてはいかがでしょうか。
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