日本株先週の振り返り
先週の日本株市場では、米大統領選で共和党のトランプ氏が勝利したことが大きな注目を集めました。事前の世論調査では僅差の勝利が予測されていたものの、実際には大差での勝利となり、上院でも共和党が過半数を奪還しました。この結果、トランプ氏の政権は安定した体制を築く見通しで、市場では減税政策への期待が高まり、「トランプ・トレード」としてリスクオンムードが強まりました。ただ、4万円の大台回復とはなりませんでした。
また、米FOMCは0.25ポイントの利下げを決定し、パウエル議長は今後の利下げペースの減速を示唆しましたが、トランプ氏の政策への期待が強いため市場の反応は限定的でした。
国内では東証が取引時間を30分延長しましたが、一部企業の決算で厳しい状況が報告されました。製造業では24年3月期の円安効果からの反動で減益傾向が見られ、中国経済の低迷や北米向け需要の減速も影響しています。
日本株今週の見通し
今週(11月11–15日)の日本株は決算発表がピークを迎える中、堅調な推移が期待されています。市場は決算内容を見極めたいという姿勢が強まる一方、米大統領選とFOMCといった重要イベントを無事に通過したことで、押し目買いの動きが支えとなりそうです。
米国の新政権発足後の最初の100日間は「ハネムーン期間」とされ、批判が少ないためネガティブな材料が出にくい状況にあります。また、年末に向けての株高期待も強まる時期であり、日経平均の下値の堅さが意識されるでしょう。
ただし、14日は決算の集中日です。600社超の決算が予定されており、小型株が主体になりますが、大型株の下方修正が続く中で、やや厳しい決算が続く可能性が高いのではないかと思われます。これが市場に対してある程度インパクトを与えそうです。
来週の為替注目点
今週のドル円相場は、複数の上昇要因が見られます。まず、日銀による追加利上げの期待が弱まっていることが挙げられます。衆院選での与党大敗を受け、利上げがさらに難しくなったとされ、国民民主党の玉木代表も「来年3月までは利上げを行うべきではない」と述べています。
また、米FRB大幅な利下げ期待が後退し、米経済がソフトランディングを迎えるとの見方が広がっています。このため、日米金利差が当面縮小しないとの市場の見方が強まり、円キャリートレードの活発化が期待されています。ここ2週間で短期筋の円売りポジションがまた膨らむ流れになりました。一方的な円安にはなっていませんが、米大統領選でのトランプ氏勝利により、減税や財政出動、規制緩和が見込まれ、米国の長期金利上昇と円ショートポジションの積み上げによるドル買いの流れが続くと予想されています。
13日には米国の10月消費者物価指数、15日には10月小売売上高の発表が控えており、市場予想を上回る結果となればドル円相場にはさらに強い上昇圧力がかかるでしょう。なお、11日に予定されている日本の総理指名選挙の影響は、ドル円相場に対して限定的と考えています。
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