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【キャピタル世界株式ファンド】世界最大級の運用会社の超有名ファンドを徹底分析【1/30 投資信託マラソン】

【キャピタル世界株式ファンド】世界最大級の運用会社の超有名ファンドを徹底分析【1/30 投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日は、キャピタル世界株式ファンドをご紹介いたします。キャピタルは世界最大級の運用会社であり、投資信託に詳しい方なら一度は耳にしたことがある有名な会社ではないでしょうか。この会社が運用する世界株式ファンドの実力について分析していきますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

分析の前に、1点お願いがございます。この記事は情報提供を目的として作成しており、投資の勧誘や売買の推奨は目的としておりません。ですから、投資判断はご自身でなさるようお願いいたします。

取り上げる投資信託はランダムに抽出したもの、中立的な立場から分析を行います。運用会社や販売会社との業務提携が一切ありませんので、忖度することなく自分たちの意見をお伝えしています。参考にしていただければ幸いです。

投資信託概要

概要

では、概要です。キャピタル世界株式ファンドは、国際株式・グローバルに投資するファンドです。運用会社はキャピタルで、NISA成長枠の投資対象にもなっています。信託報酬は1.7%で、純資産総額は5541億円と非常に大きなファンドです。

キャピタルグループが運用する世界株式に投資するファンドです。キャピタルグループはアメリカの運用会社で、最も歴史があり、最大の投資運用会社として知られています。運用資産は2.6兆ドル超、300兆円を軽く超えています。

独自の運用プロセスを持ち、徹底したファンダメンタルズ分析を行い、長期的な視点とパートナーシップを重視することが特徴です。どういった評判やイメージがあるのか、今回チェックすべきポイントが何かについてもご紹介いたします。

手数料は1.7%と高く、手数料が利益を圧迫しているのではないかという意見があります。また、インデックスファンドとパフォーマンスを比べても、あまり変わらないのではないかという意見もあります。さらに、アクティブファンドとしての市場の下落局面での弱さ、キャピタルが世界最大と言われても、運用が本当に上手なのかという疑問を持つ方が多いのではないかと思います。これらの点を踏まえ、分析を進めてたいと考えています。

まずはパフォーマンスを簡単に確認します。10年間でのリターンは年率10.77%と、カテゴリー平均の8.51%を2.26%上回っています。これは、長期的にも優秀であると言えるでしょう。また、5年間、3年間、1年間の期間でも同じカテゴリーに対して優秀であるという結果が出ています。

細かいパフォーマンス分析については後ほどお伝えしますが、標準偏差についても、同カテゴリーより低いことから、ボラティリティが低い一方でトータルリターンは高いということが見て取れます。これは、資金の効率が良いことを意味しています。

投資信託の投資戦略

次に運用スタイルです。キャピタルは非常に独自の運用スタイルを持っており、「キャピタル・システム」と呼ばれています。運用業界ではかなり有名で、巨大なファンド会社ならではのシステムを採用しています。

キャピタル・システムとは、分割されたポートフォリオが作り、異なるポートフォリオ・マネージャーがそれぞれ運用する戦略です。具体的なイメージとしては、1つのファンドに対し、投資スタイルが異なる複数の運用担当者がチームを組んで運用を行うというものです。これにより、1つのファンドに対して1人のファンドマネージャー、もしくは4人程度で合議制の運用を行うよりも、より多くの人々が関わりながら分析を行うシステムが構築されています。

現在、このファンドは9名のポートフォリオ・マネージャーによって運用されており、複数のポートフォリオ・マネージャーが様々な運用チームとして活動し、その成果を合体させています。

単独のマネージャーによる運用と合議制による運用では、それぞれ弱点があります。合議制では決定に時間がかかることがある一方で、単独マネージャーは判断を誤るリスクがあります。

しかし、キャピタル・システムでは、単独マネージャーによる確度の高い深掘り分析と、合議制による幅広い視野をミックスさせることで、これらのマイナス部分を取り除いています。

この結果、キャピタル・システムは投資への確信度を高め、ボラティリティを抑える分析を徹底して行う戦略となっています。さらに、中長期的な運用の継続性、再現性を考え、様々なマーケットサイクルに対応できる運用を心掛けています。たとえ1人のマネージャーが辞めたとしても、過去の流れは変わらないため、運用が継続できるシステムとなっています。

そのため、キャピタル・システムは投資家や機関投資家からの信頼を集め、膨大な残高を積み上げています。

このようなシステムを構築することは重要ですが、実績が伴っているかがより重要だと思われる方も多いでしょう。そこで、実際のパフォーマンスを確認してみましょう。

ファンドのパフォーマンス

パフォーマンス

世界株ファンドが緑、eMAXISの円建て世界株が青となっています。1年間のパフォーマンスを見るとほぼ同じ成績であり、インデックスファンドと変わらないのではないかという予感が、現実のものとなってしまいました。

次に、3年間のパフォーマンスを見てみると、世界株に対してアンダーパフォームしていることがわかりました。特に2022年から大きく差が開き始め、2023年にはほぼパラレルで推移しているものの、終盤には若干の差が出ています。したがって、過去3年間を振り返ると、世界株のインデックスファンドで持っていた方が、パフォーマンスが良かったという結果が明らかになりました。

5年間のパフォーマンスを見ますと、結果は同程度となります。特にキャピタルが優れていたのはコロナショック明けで、その後は世界株に追いつかれる展開となりました。したがって、5年間を通して見ると、インデックスファンドで十分だったのではないかという結論になります。

ただし、このパフォーマンスは手数料1.7%を控除後のものです。インデックスを上回るパフォーマンスとまではいきませんでしたが、一方でアクティブ・ファンドとしての投資選択候補から外すべきだと結論付けるほどでもありません。もう少し深掘りして分析する必要がありそうです。

資金流出入

資金の流出状況を見ると、2021年以降に大きな資金の流入が続いていることがわかります。これはコロナが明けた後の市場全体の強さにより、アクティブファンドに資金を預けようとする動きが見られたためでしょう。また、有名投資会社のキャピタルであれば、資金を預ける価値があるとの期待感も理由の1つかもしれません。

ただ、パフォーマンスをみると、そこまで大きな資金流入がある理由には疑問が残るところです。それでも、資金流入にはそれなりの理由があるのだろうということで、詳細を見ていきたいと思います。

アロケーション

次に、世界株式ファンドのアロケーションを確認します。他のインデックスファンドとの違いがありますので、ご注目いただければと思います。

キャピタル世界株式ファンドの投資先国別割合を見ると、52%がアメリカで、フランスが9.3%、イギリスが4.8%、デンマークが4.2%と、アメリカに続いてヨーロッパが多く含まれています。

一方、オールカントリーの上位国はアメリカ、日本、イギリス、フランスと続きますが、イギリスとフランスは合わせても6%程度です。キャピタルではイギリスとフランスを合わせると15%近い割合となっています。キャピタルはヨーロッパへのアロケーションを多く行っていることがわかります。

次に業種別です。情報技術が約21%でオールカントリーと同じですが、キャピタルは2番目にヘルスケアを置いています。一方でオールカントリーは金融が2番目になっています。このような細かな違いが、今後のパフォーマンスにどう影響を与えるのかに注目する必要があると思います。

アロケーションの意図に注目

次にアロケーションの理由を考えます。世界各国でバリエーションは異なっています。チャートは、過去のPERで10%~90%で発生したレンジを黒線、中間値は四角いオレンジで表しています。過去20年の実績に対して、今のアメリカのPERが19.7倍で、非常に割高圏にあると指摘できます。90%から10%の範囲の一番上に張り付いており、かなり稀なケースであると言えます。中間値、過去のレンジを大きく上回っていますから、アメリカでは割高と言えます。

一方、ヨーロッパはバリュエーションが低くなっています。過去のレンジから見ても低く、世界各国と相対的に比較しても低くなっています。インフレで苦労していたヨーロッパですが、今後の復活を見込んでキャピタルが投資していると考えられます。ですから、割高なアメリカの次に、上がりやすそうなヨーロッパを選んでいることが、今後のキャピタル世界株式ファンドの注目点となります。

2つ目のポイントです。オールカントリーでは金融が2番目に入っていましたが、当ファンドはヘルスケアが2番目となっています。ヘルスケアを増やしている理由は、2024年のEPSの伸びがヘルスケア業界で際立って高いと予想されているためです。

昨年が非常に悪かったため、今年はヘルスケアを狙うアクティブファンドが多く、キャピタルも同様にヘルスケアでアルファのリターンを目指しています。このような点で、インデックスとの違いを出そうとする戦略が見えてきました。

銘柄選択戦略

非常に上手く中小型株を活用している印象です。キャピタルの世界株ファンドの組み入れ比率を確認すると、上位にも中小型株が組み入れられています。コアとなる大型株はしっかりと保有しつつも、インデックスに対して超過リターンを得るため、時には大胆に中小型株も組み入れています。まさにアクティブファンドらしい動きだとの印象です。

組み入れ銘柄は270と、アクティブファンドの中でもかなり多い印象です。市場平均を大きく上回ることよりも、着実なオーバーパフォームを狙っている印象です。

上位の銘柄にはマイクロソフト、アルファベット、テスラ、台湾セミコンダクターが含まれていますが、世界的な大型株だけでなく、ノルディックス、ブロードコム、ASMLホールディングといった、インデックスでは上位にない銘柄も大きく組み入れられています。

マイナーな小型株を上位に組み入れるような冒険はしておらず、インデックスになるべく負けない運用を目指すポートフォリオだとわかります。一発逆転を狙ったマイナーな小型株は組み入れておらず、コアには大型株、サテライトとして上位に来ない銘柄を入れ、違いを出そうとしています。

これらのことから、インデックスファンドに十分に対抗できるアクティブファンドの1つとしての特徴を持っており、攻めと守りが上手にバランスされている印象を受けます。

リスクやシャープレシオを平均値と比較しても優秀な数値になっており、運用資産のコアとして保有できることを目指したファンドと言えるでしょう。

投資対象になるか

ファンドの真の狙い

3年や1年のパフォーマンスはあまりいいものではなく、5年で見ても同程度と、インデックスファンドと比較して投資する意味があるのか、という疑問を冒頭でお伝えしました。

結論としては、取れるときは取ることを狙っている、上昇局面でしっかりと利益を得て、厳しい局面ではインデックスに負けないことを目指している良質なファンドだと言えます。

短期的なパフォーマンスからみても、世界株の上昇下落に連動はしているものの、下落時には下落抑制が効いています。一方、上昇時には平均以上の値上がりが取れています。ただ、実際には世界株平均と比較して大きな差はなく、「インデックスになるべく負けないものの、取れるときには取れている」ファンドだと言えます。

上のシートの下部データをご覧ください。これは1973年からの世界株に対する運用がどうなっているかを示したものです。黒字は超過収益、赤字はファンドが負けた時期を意味します。1984年から1989年にかけて大きく負けている時期があります。特定の国、特定のセクターが高騰した時期、例えば日本のバブルのような時期に、そこの地域の割合を多くしていなかったために世界株を下回りました。ですが、局地的なバブルがない限りにおいては、市場環境を上回る運用ができています。

環境や特定のものが大きく動いた局面以外では、コンスタントに勝てており、こういったことができるアクティブファンドは非常に稀です。インデックスに勝つために大胆な運用をした結果大きく負けてしまうファンドがほとんどです。黒文字が多くなっていることから、キャピタルグループの個別の運用能力が高いということが判明しました。

超過収益は年率換算で過去1年で+1.4%、過去3年で+0.7%、5年で+2.6%、10年で+2.9%となっており、運用開始以来の年率では+4.4%となっています。長期的にはプラスの実績が多年度あるのは、さすがだとの印象を受けました。

2018年以降のファンドの1年間のぶれ幅を見ると、日本株、先進国株、新興国株に比べても、上昇の部分がよりよく取れています。一方で、下落の部分は他と比べて低く抑えられています。ボラティリティが抑え、取りに行くときは取りに行ける上手な運用ができている結果です。

検討ポイント

過去、対インデックスで年率+2.4%の違いがありました。世界株がトータルで+7.2%のリターンであるのに対し、当ファンドは手数料控除後に+9.6%と、2.4%の差があります。

2.4%の差はそれほど大きくないように見え、インデックスファンドでいいと思う方も多いでしょう。ですが、ファンド設立の1973年から50年間、100万円を投資した場合、世界株では約33倍、3200万円のリターンですが、世界株式ファンドでは約103倍の1億250万円と、3倍近いパフォーマンスが得られています。

1%の違いをあまり重要視しない方がいるかもしれませんが、+2.4%のパフォーマンスの差は大きく成果に影響します。アクティブファンドらしい特徴を持ったファンドと言え、1つの投資検討対象になり得るとの印象です。

評価

本日の評価は、4つ星と評価させていただきました。最近5年間のパフォーマンスはあまり優れていません。ですが、欧州のエクスポージャーがベンチマークよりも高くなっており、米国一強からの変調の兆しを見てとっていると思われます。また、昨年にパフォーマンスが低下したヘルスケアセクターが大きく伸びる可能性を見込んでいます。

これらの動きが直ちに成果に結びつくわけではありませんが、個人投資家ではなかなか行えないような判断をプロが新しいシステムも用いて運用していること自体が、アクティブファンドの特徴です。直近の評価というより、過去の実績とシステムを含めた評価で4つ星とさせていただきました。

本日はキャピタルの投資信託を見てきました。歴史が非常に長く、規模も大きなキャピタルという運用会社がどのような実力を持っているかをお伝えしました。

興味を持っている方も多いと思いますし、ネットでも様々な評価がなされているかと思います。私自身が分析した結果、負けないことを目標にしつつ、上昇するときに伸びを狙うという戦略をとりつつ、無謀な小型株への投資は行わずに、個別の銘柄を選定して運用しているところは、さすがのアクティブファンドだと感じました。皆さんご自身でも、インデックスファンド、他のアクティブファンドと比較し、分析を進めていただくことをお勧めします。

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