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【明治安田セレクト日本株式ファンド(愛称:初くん)】GARP戦略で絶好調ファンドを分析【投資信託マラソン】

【明治安田セレクト日本株式ファンド(愛称:初くん)】GARP戦略で絶好調ファンドを分析【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、「明治安田セレクト日本株式(愛称:初くん)」という日本株ファンドです。

このファンドは、GARP戦略という、割安で成長性のある銘柄をセレクトして投資する戦略を採用しており、非常に好調なパフォーマンスだと伝えられています。今後も成長を維持できるかを分析しますので、ぜひ最後までご覧ください。

お願い

この記事は情報提供を目的として作成しており、投資の勧誘や売買の推奨を目的とするものではありません。取り上げている投資信託はランダムに選んでおり、運用会社や販売会社との間に業務提携はございません。この分析は中立の立場から行っています。

投資信託概要

概要

「明治安田セレクト日本株式(愛称:初くん)」は、明治安田アセットマネジメントが運用しています。NISA成長投資枠での運用が可能で、信託報酬は1.38%、純資産総額は42億円と比較的小規模なファンドです。

今回、このファンドを取り上げた理由は、20年以上の運用実績を持つ老舗ファンドであるためです。長く生き残るには何らかの意味があるはずです。

また、GARPスタイル(Growth At Reasonable Price)という、割安かつ成長性の銘柄を選択して運用する王道スタイルが、どのようなパフォーマンスを出しているのでしょうか。

業種規模や投資対象は特定しておらず、日本株全般からリターンが期待できる銘柄に投資を行っています。スタイルリスクは存在しないことによる超過リターンも期待できそうです。

また、分散投資を意識しています。組み入れ銘柄は100以上に及んでおり、業種もまんべんなく組み入れられています。こういったことが、どうパフォーマンスに結び付いているかも注目です。

個別銘柄を見ると大型株も組み入れられておりますが、多くは中小型株が中心のポートフォリオとなっています。潜在的に成長力の高い中小型株に投資を行い、サイズリスク(大型株より、中小型株の方がボラティリティが高いこと)は積極的に取りに行くスタンスです。

このファンドの最大の特徴は、売買回転率の高さにあります。後ほどご紹介しますが、他のファンドと比べて非常に売買頻度が高いことが、パフォーマンスにどう影響しているのでしょうか。

チェックポイント

チェックポイントは3つです。

  1. 組み入れ銘柄100以上でパフォーマンスは出ているのか?
  2. 売買回転率の高さはどの程度で、パフォーマンスにつながっているのか?
  3. インデックスファンドや他のアクティブファンドとの比較

となります。

簡易パフォーマンスです。10年、5年、3年、1年でも、同じカテゴリに対してオーバーパフォームしています。パフォーマンスに優れたファンドだと言えます。

標準偏差は、同カテゴリに比べてプラスとなっています。他のファンドが15%の変動であるのに対し、このファンドは16.74%です。リスクを取りつつリターンを追求しているファンドだとわかります。

投資戦略

銘柄選定にあたっては、企業を取り巻く経済・社会環境、事業環境の変化に対応して、今後成長が期待できる産業分野の中から継続して成長が期待できる判断される銘柄を厳選し、中長期的な観点から投資します。非常に硬い表現ですが、今後経済、社会環境を踏まえて持続的に成長できる、割安なものを選定しています。割安成長株へ投資を行うだけではなく、成長にもフォーカスを当てています。

ファンドマネージャーの言葉によると、「3~5年後に発現する、まだ株価に織り込まれていない成長率に注目して投資判断を行います」とのことです。今、株価に織り込まれているものは当然ながら上昇しています。まだマーケットが気付いていないところにしっかりフォーカスを当てて投資する戦略が、どういう成果を出しているのでしょうか。

銘柄戦略

このファンドの最大の特徴は売買の回転率の高さです。今回は、22期と23期の運用報告書を取り上げます。売買回転率は、22期が44、23期が39となっており、売買回転率は40程度です。保有しているファンドの資産に対して、40倍近い金額を動かしています。

一般的なアクティブファンドは、高くても2~3、バイアンドホールドであれば0.5程度であることと比べると非常に高くなっています。このことから、短期間での売買を繰り返し、銘柄の入れ替えも高頻度で行っていることがわかります。

このような短期間での売買は、パフォーマンスに良し悪しに非常にバラつきが生じる傾向があります。ファンドとしてはリスクの高い運用スタイルだと言えます。しかし、一般投資家には難しい、アクティブファンドらしい役割を果たしていると言えるでしょう。この高い売買回転率はこのファンドにとっては重要なポイントです。

銘柄をご覧ください。上位にトヨタ、東京エレクトロン、キーエンスが入っている一方で、円谷フィールズホールディングス、小池酵素といったあまり聞き慣れない銘柄が入っていることから、銘柄選定の秀逸さが見え隠れします。

ファンド・パフォーマンス

パフォーマンス

実際のパフォーマンスです。過去5年間、TOPIXが+63%に対して、このファンドは+138%と完全にオーバーパフォームしています。また、日本株よりも好調だった世界株(円ベース)に対しても、20%上回る成績を残しています。

最近3年間の成績を見ますと、TOPIXが+43%に対して、当ファンドは+79%と非常に好調です。

ファンドの設定来をご覧ください。ピンクがベンチマーク、青が再分配込みとなります。2000年頃までは同じような動きをしていましたが、2020年以降大きく乖離し、リターンが一気に向上しています。

売買回転率を上げ、損切り、利確など短期的な売買を繰り返すことで高リターンを実現しています。

このような投資手法は、一時的にリターンが良くなることはあるものの、このファンドのように中長期的に結果を出すことは難しいとされています。しかし、このファンドは長期で見てもオーバーパフォームを維持しており、運用がかなり上手だと言えます。

ボラティリティを見ると、日本株平均のリスク値が15程度であるのに対し、このファンドは約17と、平均よりも大きな値動きとなっています。しかし、信託報酬控除後もリスクを上回る大きなリターンが実現できているため、リスクを取ってもリターンを狙う運用手法は信用できると言えるでしょう。

個別銘柄の短期売買で中長期的な高リターンを出すことは、経験豊富な個人投資家であっても難しいと感じるところです。これを実現していることから、実力のあるファンドだと言えるのではないでしょうか。

今後も絶好調が続く保証はありませんが、しかし、非常に優秀なファンドであることから期待が持てるでしょう。

右側の5年チャートをご覧ください。非常にしっかりと上昇気流を捉えています。現在のファンドマネージャーの手法が非常に良いことが伺えます。

資金流出入

今年に入り、少し流出が続いています。恐らくNISAなどで他のファンドに移ったのかと思われますが、一時的な可能性もありますから、今後数ヶ月での確認が必要かと思います。

評価

評価は星4つとさせていただきました。GARP運用戦略を用いて、割安ながら3~5年後に実力が市場に織り込まれる銘柄を早期に発掘して投資する戦略で、かつ細かい売買で他のファンドとの違いを出している非常に優秀なファンドです。

リスクが少し高い点は、まだ投資信託に慣れていない方にとってはハードルとなる可能性はあります。しかし、その点を理解して投資を行うのであれば、リスクに見合ったリターンを実現できるファンドではないでしょうか。

本日は、非常に高い回転売買率を持つファンドをご紹介しました。日本株でも、昨年まで世界株を上回るパフォーマンスを示した優秀なファンドです。リスクは高いものの、大きなリターンが期待できるという特徴を踏まえた上で、他のファンドと比較し、投資を検討していただければと思います。

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