超保守的な投資信託マラソンで配信中
本日はワールドリートセレクション(米国)「愛称:十二絵巻」という、米REITファンドを分析します。
過去の利下げ局面で上昇していることから、米REITへの注目が集まっています。そこで本日は、このファンドがインデックスを上回ることができているかを分析します。ぜひ最後までご覧ください。
お願い
最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的に作成されており、投資の勧誘、売買の推奨を目的としたものではありません。投資信託につきましてはランダムに抽出を行っています。運用会社、販売会社と当社の間に業務提携は一切ございません。あくまでも中立の立場で分析します。
投資信託概要
概要
ワールドリートセレクション(米国)は、SBI岡三アセットマネジメントが運用する米国のREITファンドです。信託報酬が1.65%、純資産総額が318億円です。
特徴です。米国のREITに特化した運用のアクティブファンドです。比較的少数銘柄に集中投資をしていること、業種を分散させながらも個別銘柄ベースでは保有比率に偏りがあることなど、特徴あるアロケーションを組んでいます。
REITは過去の利下げ局面で良好なパフォーマンスを上げており、ここ最近注目を集めています。アクティブファンドに投資するわけですから、ベンチマークを上回ることができるかをチェックしたいと思います。
銘柄戦略
組み入れ銘柄は35銘柄です。米国のREITに投資するアクティブファンドとしては銘柄数を絞っている印象です。
ポートフォリオの利回りは3.4%と、市場平均よりも低くなっています。インカムゲインを得ながらも、値上がりを狙うポートフォリオです。
組み入れ銘柄はこまめなリバランス、相場状況に応じた入れ替えを積極的に行っています。業種別では、最も組み入れ比率が多いものは小売が20%、次いでヘルスケア、産業施設、住居です。特定の業種に偏ることがないように分散が利いています。
ただ個別銘柄では集中投資がなされており、組み入れ上位銘柄への投資比率は高くなっています。
上位銘柄を見るとアメリカンタワーが9%、データセンターのエクイニクスが7%、産業施設のプロロジスが6%と、35銘柄の割には上位の比率が高いです。業種分散をしながら、各銘柄の比率は少し偏っています。
業種別では分散されているものの、景気や業績による個別銘柄の選定では集中投資を行っています。
直近の運営方針を見ると、ヘルスケアセンター、ネットリース系に属する小売セクターに加え、産業施設セクターなどを強気に見てウェイトを引き上げています。
一方でホテルセクター、娯楽セクター、森林セクターに対しては慎重な姿勢で臨んでおり、インデックスの違いをしっかり出しています。
ファンド・パフォーマンス
パフォーマンス
REITの中では良いパフォーマンスと言えます。近年の動向では株式市場に大きく負けているものの、REITの市場平均よりは良いパフォーマンスとなっています。
過去5年間のファンドのリターンとしては、米国REITの指標であるFTSE NAREITインデックスの円ベースに対して約20%上回っています。
過去3年でも数%とはいえオーバーパフォームしており、パフォーマンスがしっかりしています。
ファンドのリスクは18%前後と、REITの市場平均より小さく抑えられています。市場全体が低パフォーマンスだったこともあり、シャープレシオは0.5~0.6と低くなってはいます。ただREITファンドにしては高いと言えます。
近年の動きとしては、REIT市場全体が低迷していることからS&P500と比べると劣るわけですが、REIT市場の平均と比較すると、高いリターンとなっています。リスクも抑えられていますから、非常に優秀なアクティブファンドという印象です。
銘柄を見ても独自性があり、上位銘柄に対するアロケーションの割合を見ると自信を持ってしっかりとREIT分析を行い、アクティブファンドらしくリターンを追求していることがわかります。
評価
評価は4です。インデックス投資よりもリターンが高くなっています。信託報酬を引いた後でこれだけ高いことにアクティブファンドらしさを感じます。
リターンが高いだけではなく、安定性のある運用を行っていることは投資家からすると非常に心強いです。
これから利下げ局面になった場合、このような銘柄選定が上手くいくかはしっかり見る必要がありますが、過去のパフォーマンスを見る限りしっかりとした運用をしてくれそうだということで、星4つとさせていただきました。