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日経平均が史上初の6万9000円台突破――「米イラン和平」と「スペースX上場」が相場を席巻

日経平均が史上初の6万9000円台突破――「米イラン和平」と「スペースX上場」が相場を席巻

2026年6月15日、東京株式市場は歴史的な高値更新に沸きました。日経平均株価は取引時間中として史上初めて6万9000円台を突破し、午前の終値では前週末比3573円高の6万9593円を記録しました。大引けも3297円(4.99%)高の6万9317円と最高値を更新し、この上げ幅は過去2番目の大きさとなっています。株式・為替・債券が揃って上昇する「トリプル高」の様相を呈し、市場には株高に乗り遅れることへの恐怖(FOMO)を超えて一段高を見込む強気な声が溢れています。日経平均の7万円到達はもはや通過点にすぎないとの雰囲気すら漂っています。

米イラン戦闘終結合意――ホルムズ海峡開放で原油急落

この空前の急騰劇を支えた第一の要因が、中東情勢の劇的な転換です。日本時間15日早朝、トランプ米大統領はSNSを通じて、米国とイランが戦闘終結で合意したと電撃的に発表しました。この合意にはホルムズ海峡の開放と米海軍による封鎖の即時解除が含まれており、19日にはスイスのジュネーブで覚書への署名が行われる見通しとなっています。

世界の原油供給の約2割が通過する要衝であるホルムズ海峡の開放観測を受け、原油市場は敏感に反応しました。米指標油種のWTI先物は一時1バレル80ドル台前半まで急落し、前週末比で5%を超える下落幅を記録しています。北海ブレント先物も一時83ドル台まで下落し、原油相場は約3カ月ぶりの安値水準をつけました。

原油価格の急落は、これまで市場を覆っていたインフレ圧力の再燃懸念を大きく後退させました。これに伴い株式市場の物色動向にも変化が生じ、大成建設や鹿島などの建設株、JALやANAホールディングスなどの空運株、自動車関連株に猛烈な買い戻しが入りました。ナフサ調達コスト増が懸念されていた三井化学などの化学株も上昇し、出遅れていた内需株やバリュー株への波及が見られました。

スペースX、史上最大のIPO――「大公開時代」の号砲

相場上昇を牽引したもう一つの要因が、米宇宙開発企業スペースXの歴史的な上場です。12日にナスダック市場へ新規株式公開(IPO)を果たしたスペースXは、新株発行で約750億ドル(約12兆円)という巨額の資金を調達しました。これは2019年のサウジアラムコ(294億ドル)を大幅に上回り、史上最大のIPOとなっています。

このIPOはITバブル崩壊以降、約四半世紀にわたって続いてきた「企業の株式非公開化」の流れを転換させる「大公開時代」の号砲と位置づけられています。市場では、アンソロピックやオープンAIといった生成AIの二大プレーヤーの年内上場も噂されており、それぞれ500億ドル規模の資金調達が見込まれています。

「画期的な技術革新」「カネ余り」「大衆の投機熱」というバブル発生の3条件が出揃いつつある中、懸念されていた巨額調達による需給悪化も世界の過剰流動性によって吸収され、スペースXの上場が無難に通過したことが投資家心理をさらに強気に傾けました。AI・半導体関連銘柄への資金流入が加速し、東京エレクトロンは一時10%高の上場来高値を更新、ソフトバンクグループやイビデン、村田製作所なども急伸しました。

債券・為替市場への波及――円キャリー復活で円高は限定的

外部環境の好転は、国内の債券・為替市場にも影響を与えています。原油安によるインフレ懸念の後退から国内長期金利には低下圧力がかかり、新発10年物国債利回りは低下しました。為替市場では「有事のドル買い」が巻き戻され、円相場は1ドル=160円台前半へと小幅に上昇しています。

ただし、低金利の円を売って高利回り通貨を買う「円キャリートレード」が復活しており、投機勢による円売り越し残高は2017年以来となる約9年ぶりの高水準に急増しています。そのため、円高の進行は限定的にとどまっています。

今後の見通しと潜在リスク

多くの市場関係者は日本株のさらなる上昇を予想しており、6月中にも日経平均が7万円台に到達するとの見方も出ています。しかし、リスク要因が完全に払拭されたわけではありません。短期的な急騰によるテクニカルな過熱感も指摘されているほか、米イランの和平合意についてもイランの濃縮ウラン問題など不透明な要素が多く、イスラエルの反発も予想されることから、19日の正式署名の実現とその実効性には依然として疑問符が残ります。また、15〜16日に開催される日銀の金融政策決定会合における利上げ判断や、円キャリートレードの巻き戻しによるショックにも警戒が必要です。

今回の日経平均の歴史的な6万9000円台突破は、「平和への期待」と「新技術への熱狂」が交錯した壮大な上昇相場の産物です。投資家は大公開時代のビッグウェーブに乗りながらも、潜在する地政学・金融リスクの行方を慎重に見極めることが求められています。

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