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エヌビディア決算は絶好調で安心できるのか?~メモリー高騰と金利上昇に揺れる日米市場

エヌビディア決算は絶好調で安心できるのか?~メモリー高騰と金利上昇に揺れる日米市場

米半導体大手エヌビディアが発表した2026年5~7月期決算は、市場の予想を上回る驚異的な内容でした。しかし、この好決算だけでは市場の不透明感を払拭しきれず、日本市場での期待外れの反応や、米国の金利上昇といった要因が日米の株式市場を揺さぶっています。

売上高2倍超の裏に潜むアキレス腱

エヌビディアの2026年5~7月期(第2四半期)決算では、売上高が前年同期比で約2.1倍となる962億2100万ドル(約15兆円)に達し、市場予想平均の922億7000万ドルを上回りました。純利益も2倍の596億ドルとなり、四半期として過去最高を更新しています。

成長を支えたのは、米巨大IT企業群によるAIデータセンター投資です。中核のデータセンター部門の売上高は890億ドルとなり、予想平均の858億ドルを上回りました。ジェンスン・ファンCEOは「新たなAI企業やスタートアップの黄金時代を迎え、需要は加速している」と語っています。

一方で、市場の関心はすでに将来のリスクへと移っています。コレット・クレスCFOは「メモリー市場で極端な価格環境にある」と述べ、メモリー価格の高騰が想定を超えて来年にかけてさらに進むとの見通しを示しました。これを受け、次期(8~10月期)の粗利益率見通しは当初の75%から約74%へとわずかに下方修正されています。加えて、新興クラウド事業者を巡る「循環取引」や「ベンダーファイナンス」への規制動向を懸念する声も出ており、好調の裏でコスト増と需要の持続性が意識され始めています。

「エヌビディア祭り」が東京市場で不発に終わった理由

決算発表後の27日、東京株式市場では期待感から取引開始直後に日経平均株価が一時700円近く上昇しました。しかし勢いは長続きせず、わずか30分ほどで下げに転じる荒い値動きとなり、終値は前日比130円18銭(0.20%)安の6万6131円98銭と、3日ぶりの反落となりました。

背景にあるのは、前述のクレスCFOによる「メモリー価格高騰」の発言です。市場では「AI半導体の需要の強さは確認できたものの、メモリー価格上昇によるAI投資の鈍化が気がかりで、投資家が強気になりきれない」との見方が広がりました。この結果、アドバンテストや太陽誘電、さらにはゲーム機にメモリーを使う任天堂などが下落しました。加えて、米国の7月個人消費支出(PCE)物価指数が根強いインフレ圧力を示したことも重なり、日本株の上値は当面抑えられる展開が続くとみられています。

インフレ懸念と関税リスクに揺れる米国市場

米国市場も、決算とマクロ指標の発表を受けて激しく上下しました。決算前日の26日は、7月のPCE物価指数が前月比0.2%上昇(市場予想は0.1%上昇)とインフレの高止まりを示し、長期金利の上昇を受けてダウ工業株30種平均は4営業日ぶりに反落し、前日比112ドル81セント安の5万3464ドル59セントとなりました。

しかし、エヌビディアが2028年度の売上高を約70%増と見込む強気の見通しを示すと、翌27日には同社株が一時10%近く急上昇しました。これに伴いダウ平均は反発し、前日比104ドル67セント高の5万3568ドル55セントで取引を終えています。同時に好決算を発表したセールスフォースも一時23%超上昇したほか、ブロードコムやインテルなどの半導体株、クラウドストライクやパランティアなどのハイテク株も買われました。

一方、トランプ米政権が半導体や電子機器の一部への追加関税を検討しているとの報道もあり、AMDなどが下落する場面も見られました。原油高によるインフレ懸念や長期金利上昇も引き続きくすぶっており、神経質な相場展開が続いています。

FRBの針路を左右するジャクソンホール会議

日米市場が本格的な上値追いに移れない最大の要因は、米連邦準備理事会(FRB)の金融政策を巡る不確実性です。米国のインフレ率は目標の2%に対し3%台で高止まりしており、財政悪化への懸念も相まって、米国債の長期金利(10年債利回り4.6%台、30年債5.1%台)は上昇傾向を続けています。

こうした中、世界の中央銀行関係者が集う「ジャクンホール会議」が27日に開幕しました。市場の焦点は、現地時間28日午前8時(日本時間同日午後11時)に予定されるウォーシュ議長の就任後初講演です。ウォーシュ氏はかねて「必要かつ適切な場合にはためらわずに行動を起こす」としつつ、利上げが唯一の手段ではないとも述べ、市場を混乱させた経緯があります。FRB高官の間ではハマック・クリーブランド連銀総裁やコリンズ・ボストン連銀総裁らのタカ派的発言も相次いでおり、講演で金融政策の判断基準がどこまで明確に示されるかが注目されています。

まとめ

エヌビディアが示した圧倒的なAI需要と業績は、ハイテク産業への信頼を支える柱です。しかし現実の市場は、メモリー高騰というサプライチェーンの課題と、インフレ・金利上昇というマクロの逆風に直面しています。日米市場が力強い上昇軌道に戻るには、個別企業の好決算に加え、ジャクソンホール会議を経たFRBの明確な金利ロードマップの提示が欠かせないといえるでしょう。

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