圧倒的存在感!〜エヌビディアの最新決算後から約10日経過。市場反応から見えてきた今後の注目ポイントと投資家が知るべき半導体株のポイント〜

圧倒的存在感!〜エヌビディアの最新決算後から約10日経過。市場反応から見えてきた今後の注目ポイントと投資家が知るべき半導体株のポイント〜

半導体大手のエヌビディア(NVIDIA)は2024年5月22日、2025年度第1四半期(2024年1月30日〜4月28日)の決算を発表しました。人工知能(AI)関連の需要急増を背景に、売上高、利益ともに過去最高を更新する内容でした。

今回は、エヌビディアの直近の決算内容を詳しく解説するとともに、同社の事業概要や今後の見通しについても考察していきます。投資初心者の方にもわかりやすく、エヌビディアの魅力をお伝えします。

エヌビディアの2025年第1四半期決算の概要

エヌビディアの第1四半期決算の概要は以下の通りです。

  • 売上高:260億4400万ドル(前年同期比262%増)
  • 純利益:148億8100万ドル(前年同期比628%増)
  • 1株当たり利益:5.98ドル(前年同期比461%増)

売上高、純利益ともに前年同期を大幅に上回り、四半期ベースでの過去最高を更新しました。特にAI関連事業を担うデータセンター向け売上高は226億ドルと、前四半期比で23%増、前年同期比で427%増となりました。

エヌビディアの事業概要

エヌビディアは1993年創業の米国ファブレス半導体メーカーです。当初はゲーム用グラフィックス処理に強みを持っていましたが、近年はAIやディープラーニングの分野でも注目を集めています。

現在の主力事業は2つのセグメントに分かれています。

1.コンピューティング&ネットワーキング

データセンター向けのGPU、DPU、CPUなどを提供。AI、機械学習、クラウドコンピューティング、自動運転などに利用されています。

2.グラフィックス

エヌビディアのGeForce GPUは主にゲーミング用途向けに開発された製品で、高速な描写が求められるゲームやVR、3Dグラフィックスなどに利用されています。

エヌビディアは、GPUを中心とした並列コンピューティング技術で、従来のCPUでは困難だった大規模な計算を高速に処理することを可能にしました。ゲーミングからAI、自動運転まで、幅広い分野でイノベーションを起こしている企業です。

エヌビディアの株価推移と時価総額

エヌビディア株は長期的に上昇トレンドにあり、特に2023年以降はAIブームを背景に急ピッチで上昇しています。2024年5月時点の株価は1,000ドル前後で推移しており、時価総額は約2.6兆ドルに達しています。

これは米国の時価総額ランキングでも上位に入る規模であり、エヌビディアはAI分野における圧倒的な存在感を示しているといえるでしょう。

米国株時価総額ランキング(2024年5月25日時点

  1. マイクロソフト 約3.2兆ドル
  2. アップル    約2.9兆ドル
  3. エヌビディア  約2.6兆ドル
  4. アマゾン・ドット・コム 約1.9兆ドル
  5. メタ・プラットフォームズ 約1兆ドル

エヌビディアと半導体株の今後の見通し

エヌビディアは第2四半期の売上高見通しを280億ドル前後としており、引き続き力強い成長が期待されています。また、1対10の株式分割と、四半期配当を150%増の1株当たり10セントにすることも発表しており、AI需要の拡大を追い風に、同社の株価は当面堅調に推移すると予想されます。また、決算ガイダンスでは、AIコンピューティングへの投資が依然旺盛であることを示し、フアンCEOは「次の産業革命が始まった」と述べ投資家に今後の期待を伝えました。

ただ、半導体業界では技術革新のスピードが速く、競合他社の動向にも目が離せません。エヌビディアは現時点ではAI分野で優位に立っていますが、油断は禁物です。同社の技術力や競争優位性が今後も維持されるかどうかを見極めていく必要があります。

エヌビディアが与えた今後の市場への影響

エヌビディアの株式分割は今回で5回目になります。6月の分割をきっかけにダウ工業株30種平均に採用されるといった市場観測が出ており、米国の有力Webサイトによれば、入替候補は、インテル、シスコシステムズ、IBMが取り沙汰されており、需給の変化が株式市場に影響を与えることが予想されています。

また、以下のチャートのように、NASDAQ/ダウ工業30種平均、いわゆるND倍率が高値水準を更新中です。しかし、NVIDIAの決算後は、NVIDIAのみでSOX指数を支える日も多く、一強で高値が維持されている可能性が指摘されています。複数銘柄で相場を牽引するケースはありますが、1銘柄で相場を牽引するケースは稀であるため、この反動がどのような形で出てくるのか要注意です。

出典:Trading View

まとめ

エヌビディアの第1四半期決算は、AI需要の急拡大を背景に過去最高の業績となりました。同社はAI分野における世界的なリーディングカンパニーへと成長を遂げており、今後も力強い業績が期待されています。

ただし、競合リスクには注意が必要です。エヌビディア株への投資を検討する際は、業績動向だけでなく、幅広い視点からの分析が欠かせません。

AIの可能性は計り知れません。エヌビディアはその可能性を現実のビジネスに変える重要な役割を担っています。同社の動向は、AIや半導体業界のみならず、世界経済の未来を占う上でも注目に値するでしょう。

続きを読む

「資産を守るために、着実な資産管理を」

ファミリーオフィスドットコムでは無料で⾃信で⾏っていただける資産管理から、
エキスパートによるオーダーメイド型の資産管理まで、様々なサービスを提供しています。

メディアでご紹介いただきました

関連記事

第2次トランプ政権の政策と日米関係への影響

第2次トランプ政権の政策と日米関係への影響

2025年1月20日、ドナルド・トランプ氏が第47代アメリカ大統領に就任します。再任後、減税や規制緩和、さらに …

米国金利の影響を受ける中で取るべき戦略は?【日本株・ドル円 週間見通し】 1月11日号(1月14日〜1月17日)

米国金利の影響を受ける中で取るべき戦略は?【日本株・ドル円 週間見通し】 1月11日号(1月14日〜1月17日)

[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 今週の為替注目点 日本株先週の振り返り 先週の日 …

金利上昇局面で注目される債券投資~具体的な選択肢とその魅力

金利上昇局面で注目される債券投資~具体的な選択肢とその魅力

国内外で金利が上昇する中、個人向け国債や社債が再び注目を集めています。「変動10年型」個人向け国債は、金利上昇 …

【米国株 S&P500】市場関係者がほぼ強気の中で想定外のリスクとは?【1/6 マーケット見通し】

【米国株 S&P500】市場関係者がほぼ強気の中で想定外のリスクとは?【1/6 マーケット見通し】

2025年の米国株式市場について、金融機関の多くの予想が強気です。本日は、その強気のメインシナリオに想定外のこ …

為替も株価も引き続き日銀次第【日本株・ドル円 週間見通し】 12月21日号(12月23日〜12月27日)

為替も株価も引き続き日銀次第【日本株・ドル円 週間見通し】 12月21日号(12月23日〜12月27日)

日本株先週の振り返り 先週の日経平均株価は前週末比849.32円安(2.15%安)の3万8,701.90円で取 …

2024年12月の日銀金融政策決定会合 ~ 利上げ見送り、その次の一手は?

2024年12月の日銀金融政策決定会合 ~ 利上げ見送り、その次の一手は?

2024年も終わりを迎える中、注目された日銀の金融政策決定会合が12月18日から19日にかけて行われました。本 …

【FOMC】注目のFOMC開催。その後、米ドル、米国債券、金価格はどう動く?【12/16 マーケット見通し】

【FOMC】注目のFOMC開催。その後、米ドル、米国債券、金価格はどう動く?【12/16 マーケット見通し】

*当記事は、2024年12月16日に公開されたYoutube動画をベースに作成しています。 [ 目次 ]1 1 …

FRBのタカ派サプライズ!市場はどう動く?今後の展望

FRBのタカ派サプライズ!市場はどう動く?今後の展望

米連邦準備制度理事会(FRB)が12月18日に開催したFOMCでは、予想通り0.25%の利下げが実施されました …

植田日銀総裁の発言にヒントあり【日本株・ドル円 週間見通し】 12月14日号(12月16日〜12月20日)

植田日銀総裁の発言にヒントあり【日本株・ドル円 週間見通し】 12月14日号(12月16日〜12月20日)

[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 今週の日本株見通し3 今週の為替注目点 日本株先週の振り返り 先週(1 …

米11月CPI結果から見るFOMCの利下げシナリオ

米11月CPI結果から見るFOMCの利下げシナリオ

[ 目次 ]1 米11月CPI、予想通りの結果で安心感広がる2 住居費インフレの鈍化と「スーパーコア」への注目 …

年末に向けて米株高が続く。市場が動く次の材料は?【12/9 マーケット見通し】

年末に向けて米株高が続く。市場が動く次の材料は?【12/9 マーケット見通し】

先週も米国では様々な市場材料がありましたが、株価上昇が続いています。本日は、今後どのような材料が市場の転換点と …

インド株の調整と今後の展望:大型IPO、地政学リスク、トランプ氏再選でどうなる?

インド株の調整と今後の展望:大型IPO、地政学リスク、トランプ氏再選でどうなる?

今日はインド株市場の最新動向について解説します。インド株は最近、大きな調整局面に入っていますが、その背景にはど …

米国トランプ政権発足と新たな関税政策 〜製造業への影響と企業の対応策〜

米国トランプ政権発足と新たな関税政策 〜製造業への影響と企業の対応策〜

2024年11月5日に行われた米国大統領選挙で、トランプ前大統領が再び米国の第47代大統領に選出されました。同 …

【日本株・ドル円 週間見通し】 12月7日号(12月9日〜12月13日)

【日本株・ドル円 週間見通し】 12月7日号(12月9日〜12月13日)

[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 今週の為替注目点 日本株先週の振り返り 先週の日 …

今週も米新政権の発言次第という不安定な相場が続きそう【日本株・ドル円 週間見通し】 11月30日号(12月2日〜12月6日)

今週も米新政権の発言次第という不安定な相場が続きそう【日本株・ドル円 週間見通し】 11月30日号(12月2日〜12月6日)

日本株先週の振り返り 先週(11月25日〜29日)の日経平均株価は、前週末比75.82円安の3万8,208.0 …

おすすめ記事