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【インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA】キャピタルが運用する米国ファンドの実力を分析【投資信託マラソン】

【インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカICA】キャピタルが運用する米国ファンドの実力を分析【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、米国株に投資する投資信託のインベストメント・カンパニーオブ・アメリカICAという、キャピタルが運用する米国ファンドです。

非常に有名なファンドであり、キャピタルという有名な会社が運用する旗艦ファンドであるため、注目されている方も多いと思います。どうぞ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事は情報提供を目的としており、投資の勧誘や売買の推進を目的としたものではありません。投資をされる場合はご自身で判断いただきますようお願いいたします。投資信託はランダムに抽出されており、運用会社、販売会社と私たちの間に業務提携は一切ございません。

投資信託概要

概要

概要です。インベストメント・カンパニーオブ・アメリカICAは、キャピタルが運用しています。NISA成長枠での投資が可能で、信託報酬は1.13%とやや低い印象があります。純資産総額は1,790億円と、中規模のファンドです。

今回取り上げた理由は、

1)個別銘柄のグローバルな調査力、運用力に定評のあるキャピタルグループが運用している米国ファンドであるためです。元々米国ファンド自体、高い注目が集まっている中において、キャピタルが運用するファンドがどうかには、皆さんも興味を持っているのではないでしょうか。

2)また、米国株を中心に幅広く分散投資を行っています。指標やインデックスに囚われない組入比率を維持していることが特徴となっています。そこで、本日はどのような銘柄選定をしているかも確認したいと思います。

3)組入のほとんどは米国株であり、銘柄数は約200となっています。他の集中投資銘柄が30~40であるのに比べると、かなり分散を利かせています。分散投資がどのような効果をもたらすのかも検証したいと思います。

チェックポイント

チェックポイントです。

  1. キャピタルが運用するパフォーマンスはどうか?
  2. どのような投資戦略なのか?
  3. 200銘柄の分散でパフォーマンスが上がるのか?
  4. 長期で任せることができそうか?
  5. インデックスファンドや他のアクティブファンドとの比較

の5つを確認したいと思います。

まずは簡易パフォーマンスです。5年、3年、1年でも同カテゴリーを上回る結果を残しています。また、標準偏差では同じカテゴリーを大きく下回っており、シャープレシオが高いと容易に想像がつきます。以降では、さらに掘り下げた内容を確認します。

投資戦略

まずは投資戦略です。ICA運用は、主に米国の株式に投資しています。銘柄選定にあたっては企業の成長性や配当に注目しており、高い成長性があり、高水準の配当収入があることで、中期的な成長につながると謳っています。

また、現在の配当水準だけでなく、将来にわたって配当を持続できるか、成長性が期待できるかなど、企業の質に注目して銘柄を選定しています。キャピタルならではというわけではないですが、アクティブファンドの王道の投資戦略だと言えるでしょう。

ICA運用における投資銘柄の変遷をご覧ください。

1934年からアメリカで運用を開始し、社会構造、経済構造の変化を捉えて銘柄は変更しています。今後も状況を踏まえて銘柄を変えることからは、アクティブファンドらしく、時代の先を行くような運用を目指していることがわかります。

銘柄選択

では、具体的な銘柄を見てみましょう。分散を効かせた運用スタイルとなっており、情報技術セクターを代表するマイクロソフト、アルファベット、アマゾンなどを多く組み入れる一方で、ゼネラル・エレクトリックやマスターカードといった米国の中でも老舗と言える銘柄も多く組み入れています。バランスを重視した投資と言えるでしょう。

組み入れ銘柄数は200程度と、一般的なアクティブファンドと比べると幅広い投資の印象です。とはいえS&P500よりも銘柄数が絞られています。分析を通じて半数以下に絞り込んでいることで、どのようなパフォーマンスを発揮できているかを、後ほど確認したいと思います。

S&P500のインデックスを見ると、マイクロソフト、アップル、エヌビディアが並んでいます。マイクロソフトの割合は少し多い程度ですが、2番目にブロードコムが入り、アップルはインデックスに比べて低い割合になっています。エヌビディアの割合も低いところにファンドのこだわりが見られますが、パフォーマンスにどのように影響しているのでしょうか。

パフォーマンス分析

パフォーマンス

パフォーマンスです。分散投資をすればするほどパフォーマンスは指標に近付く傾向にあります。このファンドもS&P500に近い動きとなっています。ただ、多くの分散型アクティブファンドはコストなどの原因で指標に劣る中、このファンドはしっかりと結果を出している傾向にあります。秀逸な銘柄の選定力があることがあると言えるでしょう。

過去5年間のパフォーマンスを見ると、費用を差し引いた後も、S&P 500の円換算を数%上回っています。過去3年間においても、同様に指標を上回っています。必ずしも連動しているわけではありませんが、しっかりと指標の動きに連動しており、安定的に釣果リターンを挙げていることがわかります。非常に優秀なアクティブファンドであると言えるでしょう。

ファンドの成功要因には、徹底した銘柄選定があります。銘柄選定の結果、市場平均よりもリスクを小さく抑えています。米国の平均的な株式のリスクが20%であるのに対し、このファンドは15%に抑えながらもパフォーマンスを上げており、非常に安定的なパフォーマンスを実現しています。

もう1つの戦略として、バイアンドホールドをとっています。アクティブファンドの中でも比較的コストが安く、2%前半となっています。信託報酬は1.1%であり、コスト控除後のパフォーマンスに寄与しています。

QUICKの投信分類の中でも、赤で示されるファンドのチャートは他を上回っていることが確認できます。バイアンドホールドという投資スタイルでは、ファンド内の銘柄の売買はあまり行われず、投資前にしっかり分析を行い、購入後は値上がりを待つスタイルです。

目先の指標よりも大きなリターンを目指す投資家には向かない印象ですが、指標に負けずに安定的な超過リターンを望む方にとっては、米国株に投資するコアファンドとしての役割を果たせるでしょう。

ファンド独自のインデックスを上回る能力として、5年、3年、1年、6ヶ月のどの期間を見てもアルファが出ていることから、どのような状況でも、ある程度、プラスのパフォーマンスを出せることがわかります。

資金流出入

資金流出入をご覧ください。私のイメージと異なり、2023年には資金の流出が続いています。2022年は多くの資金流入がありましたが、最近は流出が続いています。インデックスファンドの人気により資金がそちらに流れている可能性があります。しかし、資金の流出とパフォーマンスがリンクしていない印象があります。

評価

これを踏まえた評価は4となります。じっくりと長期投資のスタンスで預けたい投資家向けの優秀なファンドという印象です。リスクを抑えており、シャープレシオが非常に高く、インデックスを上回るパフォーマンスをコンスタントに残せているため、秀逸な銘柄選定ができていると言えるでしょう。また、主要銘柄をしっかりと組み入れつつ、200銘柄と多く分散させる戦略が1つの特徴となっています。

本日は、キャピタルが運用する米国ファンドを見てきました。200銘柄に分散しながらも、インデックスに負けないように大型グロース銘柄を取り入れつつ、伝統的な有名企業もとり入れてバランスを取りながら超過リターンを目指しています。5年、3年、6ヶ月、3ヶ月の期間で見てもプラスアルファがあり、他の優秀なアクティブファンドと比較しても遜色ない印象です。投資対象の候補として残るのではないかとの印象を持ちましたので、ぜひ本日の記事を参考に、より分析を深めていただければと思います。

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