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【iTrust プレミアム・ブランド】消費者に幸福感と優越感をもたらす世界的なプレミアム企業に集中投資【投資信託マラソン】

【iTrust プレミアム・ブランド】消費者に幸福感と優越感をもたらす世界的なプレミアム企業に集中投資【投資信託マラソン】

超保守的な投資信託マラソンで配信中

本日分析する投資信託は、iTrustプレミアム・ブランドです。ピクテジャパンが運用する、世界的に有名なブランド価値を持った企業に集中投資を行うファンドです。

消費者に幸福感・優越感をもたらす企業に集中投資を行うこのファンドが、どのようなパフォーマンスを残しているかを分析したいと思います。ぜひ最後までご覧ください。

お願い

最初にお願いです。この記事はあくまでも情報提供を目的として作成しており、投資の勧誘や売買の推奨を目的としたものではありません。また、取り上げている投資信託はランダムに抽出しており、運用会社や販売会社との間に業務提携は一切ございません。中立の立場でお伝えします。

投資信託概要

概要

iTrustプレミアム・ブランドは、ピクテジャパンが運用する世界株で、NISA成長枠での投資が可能です。信託報酬は1.46%、純資産総額は18億円(ただし、同ファンドの3ヶ月決算は449億円)です。このファンドは、消費者の羨望を集めるような、強力で魅力的なブランド力を確立している世界的な企業に厳選して集中投資を行います。

例えば、ルイ・ヴィトンやフェンディなどを所有するLVMHモエヘネシー・ルイヴィトン、高級自動車のフェラーリ、ヒルトンやコンラッドなどのホテルを所有するヒルトン・ワールドワイドHDなど、世界的に認知されているブランド企業に投資を行っています。

類まれなるサービスを提供しているブランド企業は、基本的に利益率が高いことで知られています。こうした企業に投資を行うことで、預かった信託財産の長期的な成長を目指すファンドとなっています。

チェックポイントです。ブランド力のある銘柄に集中投資したパフォーマンスがどうなのか。また、長期で安定したパフォーマンスが実現できているのか注目すべき材料だと思います。

簡易パフォーマンスです。同カテゴリーに比べ、ここ1年間はアンダーパフォームしています。ですが、3年、5年ではオーバーパフォームしています。一方、標準偏差に関しては過去3年間、5年間でカテゴリーよりも低いことから、ある程度リスクをコントロールできているファンドという印象です。

投資戦略

プレミアム・ブランドは企業が簡単に価値を作れるものではなく、そのため参入障壁が非常に高い企業です。他の企業が参入しにくいため、利益率が下がるような競争が生まれにくいです。そのため、こういった企業は高価格で高収益を上げられる製品、サービスを提供し続けることができます。

プレミアムブランドの企業は非常に利益率が高く、また、新興国の成長によって中間層以上の人口が増加するメガトレンドの流れにも沿っています。

銘柄戦略

アメリカンエキスプレス、VISAといったカード会社、ヒルトン、フェラーリ、エルメス、ロレアル、アディダス、マリオット・インターナショナルなど、非常によく知られたブランド価値のある企業に投資を行っています。

国に関しても、アメリカのみならずフランス、イタリア、スイス、イギリスなどに分散が効いています。他の世界株ファンドに比べると欧州の割合が多い印象です。アパレルや耐久消費財の比率が高く、情報通信や情報技術が多くなる傾向がある他のファンドとは異なる、特徴的なポートフォリオとなっています。

ファンドパフォーマンス

パフォーマンス

長期的に高パフォーマンスを残しています。過去5年間のパフォーマンスをご覧ください。基準価格が赤いチャート、世界株が青いチャートです。過去5年間では、世界株平均の円ベースとほぼ同じ動きをしています。

ただ、過去3年については、ここ最近までは同じ動きをしていましたが、2024年に入ってからは世界株の青いチャートに対してややアンダーパフォームになっています。

株価の動きはほぼ世界株平均と同等で、ファンド自体に特別な特徴がないと感じられるかもしれません。しかし、現状のハイテク株優位の市場環境において、特徴的なブランド価値を持った企業に投資を行っている点を考慮すると、5年間でほぼ同等のパフォーマンスを示していることは、非常に好調な部類に入るといえます。まさにブランド力のある銘柄がパフォーマンスに寄与していると言えるでしょう。

世界株の多くは米国ですが、ファンドに組み入れられているブランド企業は欧州が多い点も1つの特徴です。現在は、バリエーション的にはアメリカの方が高く、欧州の方が低く、欧州の銘柄を多く保有できていることが、この5年間のパフォーマンスに結びついていると考えられます。また、今後にも期待ができる要因の一つです。

ファンドの米国株の割合は37%と、6割から7割を占めるファンドが多い中では非常に少なめです。一方、フランス、イタリアの割合が高めで、他のファンドとは異なる国配分になっています。

とはいえ、国別比率は企業が本社を置く国に基づいているに過ぎません。実際の業績はその国の経済成長ではなく、世界経済の消費活動、景気動向に影響を受けます。グローバルに有名なプレミアムブランドであれば、当然ながら世界経済の影響を大きく受けます。

組み入れ企業の決算報告を見ると、キーワードの中に中国事業という言葉が何度も出てきます。中国を含め、今後経済が成長していく地域における人口増加や消費金額の増加が、プレミアムブランドの売上に関しては大きな影響を与えていることがわかります。

このファンドは世界の株式市場の影響を受けるだけでなく、世界の実体経済の影響も多く受けるファンドです。今後の景気動向がファンドにとって大きな影響を与える要素になります。

プレミアムブランドが輝き続けるためには、世界経済の成長持続が必要です。また、高級ブランド・経験するラグジュアリー感・質の高いライフスタイルを求める中間層が増えていく経済構造が続けば、短期的な景況感の浮き沈みの影響を受けるものの、メガトレンドである世界の中間層の増加に伴い、高級ブランドを求める人々が増えるメリットを享受できるファンドでしょう。ラグジュアリーな経験や質の高いライフスタイルを追求する人々が増えることで、プレミアムブランド企業への依存が高まり、売上も増加します。中間層の増加が、このファンドの最大のポイントです。

大型株を多く組み入れ、そこまで機動的な銘柄の入れ替えを行っていないファンドですので、長期投資であれば基本的にはパフォーマンスが期待できます。しかし、細かい機動的な入れ替えを行っていないため、短期的には大きな下落や上昇を繰り返す可能性があります。そのため、このファンドはコアの資産というよりも、サテライトの一部として保有する方が面白いのではないかと思います。

資金流出入

基本的には資金の流入が増えている印象ですが、この傾向が続くかどうかは、世界経済とパフォーマンス次第です。

評価

評価は4です。ここ3年間で世界株に対してアンダーパフォームしていることや、大型株である情報技術株の大きな上昇についていけなかったという側面があるため、短期のパフォーマンス的には3.5程度かもしれません。

ただし、世界の中間層が増えるというメガトレンドは間違いなく、中間層になった人々が、ラグジュアリーな生活や素晴らしいライフスタイルを送りたい、いろんな経験を積みたいという欲求が強くなることは自明であり、このプレミアムブランドを利用する機会が増えることが予想されます。

プレミアムブランドは売上が伸びれば非常に利益率が高く、株価が大きく伸びる可能性があります。このような企業に世界中から集中投資を行っているこのファンドは、サテライトとして非常に面白みがあるため、パフォーマンスに0.5の評価を加えて4という評価にしました。

本日は、世界のプレミアムブランドに投資する世界株ファンドを見てきました。世界の景況感の影響を受けやすく短期的なパフォーマンスではやや大きめの変動幅が出てくると思います。現在のように情報通信株の上伸が続く中では、世界株にアンダーパフォームすることもあるかと思いますが、長期的には可能性を秘めたファンドです。ぜひ、いろいろなファンドと比較していただければと思います。

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