半導体は現代社会を支える重要な基盤技術であり、スマートフォンやパソコン、自動車など幅広い分野で使用されています。その半導体の製造には、高純度のシリコンウェーハをはじめ、フォトレジストや特殊ガス、化学薬品など、様々な材料が不可欠です。本稿では、半導体製造を支える材料産業に焦点を当て、日本企業の強みと投資の着眼点について探っていきます。
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半導体の基板となるシリコンウェーハは、半導体製造の出発点ともいえる重要な材料です。シリコンウェーハは、高純度の多結晶シリコンを溶融し、単結晶インゴットを作製した後、薄く切断・研磨して製造されます。この分野では、信越化学工業とSUMCOが世界トップクラスのシェアを誇っています。両社とも、300mmウェーハの生産能力を増強するなど、最先端の半導体需要に対応した投資を積極的に行っています。
半導体の微細化が進むにつれ、フォトレジストや特殊ガス、化学薬品など、高品質な化学材料の重要性が増しています。フォトレジストは、半導体の回路パターンを基板上に形成するために使用される感光性材料です。この分野では、JSRと東京応化工業が高いシェアを持っています。ただ、JSRは産業革新投資機構のTOB(株式公開買い付け)により非上場化が決定しており、東京応化工業への資金シフトがあるかどうかに注目です。
また、半導体製造に使用される特殊ガスや化学薬品は、高純度と安定供給が求められます。エア・ウォーターなどの日本企業が、この分野で強みを発揮しています。
半導体チップを外部と接続するためのリードフレームや、チップ内の配線に使われるボンディングワイヤなども、半導体製造に欠かせない材料です。リードフレームでは、新光電気工業が高いシェアを持っています。
2022年から2023年にかけて、半導体市況の調整局面を受けて、材料メーカーの業績にも一時的な影響が見られました。しかし、2024年以降は再び市場の拡大が見込まれています。米国や欧州、日本などで大規模な半導体工場の建設が相次いでおり、材料需要の中長期的な拡大トレンドに変わりはありません。 重要なのは、需要拡大の恩恵を受ける企業を見極めることです。たとえば、シリコンウェーハの分野では、300mmウェーハの生産能力を増強している信越化学工業やSUMCOが有望です。また、フォトレジストの分野では、最先端技術を保有する東京応化工業が注目されています。さらに、特殊ガスや化学薬品の分野では、安定した供給体制と高品質な製品を提供するエア・ウォーターも見逃せません。
また、材料メーカーは、顧客である半導体メーカーとの緊密な関係構築が欠かせません。半導体の微細化・高性能化に対応した材料開発や、安定供給体制の強化など、顧客ニーズを先取りした取り組みを進められるかどうかも、重要な投資の判断材料となるでしょう。
半導体を支える材料産業。日本企業は、シリコンウェーハをはじめ、多くの分野で世界をリードしています。AIやIoT、自動車の電動化などによる半導体需要の拡大を追い風に、これらの企業がさらなる成長を遂げていくことが期待されます。材料メーカーの技術力や顧客対応力を見極めながら、中長期的な視点で臨んでいきたいものです。
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