日本株先週の振り返り
先週(1月27日〜31日)の日経平均株価は下落し、前週末比359.49円(0.90%)安の3万9572.49円で取引を終えました。前週(1月20日〜24日)は、トランプ前大統領が21日の記者会見で、ソフトバンクグループ(9984)、オープンAI、オラクル(ORCL)の3社がAI関連の大規模インフラ整備を進めると発表。これを受け、AI関連銘柄が買われたことで日経平均は一時4万円台を回復しました。しかし、先週は中国のAI企業ディープシークが発表した「DeepSeek」が米国のAI市場に与える影響が懸念され、エヌビディア(NVDA)などの半導体・AI関連株が急落。東京市場でもアドバンテスト(6857)、ソフトバンクグループ(9984)、東京エレクトロン(8035)などが売られ、一時3万8886.05円まで下落しました。1月29日以降はこの影響が落ち着きを見せ、アドバンテストの好決算が発表されたことで買い戻しが入りましたが、4万円の大台は回復できませんでした。
日本株今週の見通し
今週から2月相場が本格的に始まり、国内外で重要な経済指標や決算発表が相次ぐため、市場の動向に注目が集まります。7日には米国で1月の雇用統計が発表される予定であり、この重要指標を控え、市場が方向感を欠く展開となる可能性があります。一方、日本では決算発表シーズンを迎え、東京エレクトロンなど株価指数に影響を与える企業の決算が予定されており、個別銘柄ごとの値動きが活発化しそうです。
国内企業の10-12月期決算発表がピークを迎え、主要企業の業績が相次いで明らかになります。3日(月)には村田製作所やみずほフィナンシャルグループ、4日(火)には三菱重工業、三菱UFJフィナンシャル・グループ、任天堂、5日(水)にはトヨタ自動車や野村ホールディングス、6日(木)には東京エレクトロンや日本製鉄などの決算発表が予定されています。これまでの傾向として、好調な決算を受けた銘柄が上昇するケースが多く、さらに発表後の自社株買いが株価の下支えとなる可能性もあります。
また、金融イベントを通過したことで、決算内容を材料とした「日替わり的な物色」が市場の中心となる見通しです。投資家は、各企業の決算動向や経済指標を注視しながら、慎重な投資判断を求められるでしょう。加えて、米国ではアルファベットやアマゾンが決算を控えており、これらの結果次第で市場の変動幅が拡大し、日本市場にも影響を与える可能性があるため、引き続き注意が必要です。
今週の為替の注目点
トランプ前大統領は2月1日からカナダとメキシコに25%、中国に10%の関税を課す方針を表明し、市場では貿易摩擦の激化が懸念されています。知的財産権問題を含め、報復措置の有無によってはさらなるリスク要因となりかねません。関税引き上げは輸入物価を押し上げ、インフレ圧力となる一方、経済成長にはマイナスの影響を与える可能性があります。市場はこれをある程度織り込んでいるものの、カナダ・メキシコとの交渉や、米中間の関係悪化次第では不安定な相場展開が続くでしょう。ただし、週末の3国間協議によっては撤回の可能性もあり、週明けのオセアニア市場の動向には警戒が必要です。
また、今週は米国の経済指標が相次ぎ、金融政策の見通しを左右する重要な週となります。FRBは1月FOMCで利下げ休止を決定しましたが、「インフレは2%目標に向け進展してきた」という表現を削除し、市場はこれをタカ派的と捉えました。一方で、パウエルFRB議長は「追加利下げにはさらなるデータが必要」と慎重な姿勢を示しており、今後の政策の方向性は依然として不透明です。市場では、3日のISM製造業景況指数、4日のJOLTS求人件数、5日のADP雇用統計やISM非製造業景況指数、7日の雇用統計といった一連の指標を注視する展開となるでしょう。労働市場の悪化が確認されれば、利下げ観測が再燃し、リスク回避の動きが強まる可能性があります。関税政策と経済指標が重なることで、市場のボラティリティは高まり、不安定な相場展開が続くかもしれません。
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