本日も市場に潜むリスクを見ていきたいと思います。
本日は、1月の6日です。今現在、アメリカのジョージア州において上院議員の残り2議席の決戦選挙が今まさに行われている状況です。直前までの戦況は、リアルポルティクスというアメリカのリサーチ会社によると民主党が優位ではないか、2議席を獲るんではないかということでマーケットがすごくざわついた状況です。
また、さらに最新のレポートによると、エジソンリサーチという会社が、どうやら共和党が票を伸ばして接戦というような情報を出しており、どちらが勝つかのということになっています。
ただ、そのような目先の選挙結果だけではなく、今後に潜むリスクということで今日は、改めてインフレ率、金利について昨日ヒントがありましたので見ていきたいなと思います。
インフレに関するニュースで言うと、3つあります。この3つを知ってもらうことで今後のポートフォリオの分析に使っていただけると思います。
まず1つ目が、もし民主党が2議席獲ったならばということなんですが、上院で民主党が2議席獲ると、共和党50席、民主党50席という結果になり、ちょうど過半数になります。しかし、最終投票権は副大統領が持つため、51対50ということで民主党が上院の過半数を占めるということになります。
大統領も上院も下院も民主党ということになることでマーケットがどうなるかというと、市場の多くの予想では、金利が上昇するんじゃないかなという風に予想されています。
なぜ金利が上昇するかと言うと、バイデン次期大統領がコロナ対策やクリーンエネルギー政策に積極的で対して、民主党の伝統である大きな政府として財政出動を積極的にやっていくことで、景気を回復させていく、伸ばしていくんだということを公言してるわけですよね。
一方で、その財源となる増税については、今の経済環境においては、公約であるキャピタルゲイン課税だとか、法人税の増税だとか、そういった増税策が今の状況では打ち出しにくいのではないかということで、歳出と歳入にタイムラグが生じる。つまり、それを埋めるために国債を大量に発行せざるを得ないと思われます。
国債の発行が先行するだろうということで金利が上がっていくのではないかとマーケットが折り込み始めているのが、まず1つ目の理由です。
昨日、BEIと書いてブレークイーブンインフレ率というのがあるのですが、アメリカの10年の利付国債の流通利回りから10年の物価連動債を引いたそのギャップがブレークイーブンインフレ率というもので、物価の上昇を予測するものです。
昨日、2018年以降、BEIが2年振りに2%を超えてきました。これは、将来の物価上昇を示しています。2年前のインフレ率くらいまで期待値が上がって来てるということで民主党政権が本当に実現すると、いよいよこの金利が2.5%に近くんじゃないかということをマーケットが嫌気してくる可能性が高まりそうです。
今、マーケットが少し上値が重たくなっているのは、インフレ率が上がっているだけではなくて他にも要因があります。その1つの要因が、昨日発表があったISM製造業指数です。
この動画をご覧なってる方に何度かお伝えしているように、1月5日にとても重要なISM製造業指数が発表になりました。結果は、60.7ということで、12月はとても好調でした。予想は前月の57.5よりも下回るのではないかとされていましたが、ポジティブサプライズが起こりました。
これもブレークイーブンインフレ率と同じように2年振りの高水準になります。
ということは、製造業はこのコロナ禍にあっても量的緩和、金融緩和があることによって、とても先行きが明るいと見通していますし、現状も良いという風に感じているということです。
しかも、中身をよくよく見ていくと、これはすごいことに、受注残とか在庫とか顧客の在庫などが特に際立って良い数字でした。特に、顧客在庫が37.9ということで、中立の50から見ると、すごく下の水準です。
これは、顧客の在庫は全然足りてない状況で、いつでもこの在庫を積みますように、将来、生産依頼が増えるポテンシャルがあることを意味しています。今後、将来の在庫を増やしたいという意向が出てくれば伴って、製造業が潤うということが今回のISM製造業指数に現れていました。
これは、時代が時代であれば利上げを検討するようなレベルではないかと思うようなほど強い内容でした。ISM製造業指数が60を超えてくるような状況は2018年以来という風に言いましたが、2018年、米国は利上げをスタートした時です。
ということを考えると、今は2023年までまで利上げはしません、とFRBは言ってるいますが、今後少しニュアンスが変わってくる可能性がいよいよ近づいてるのではないかという警戒をマーケットがし始めたことが、この数日間の株価にも影響してるということもあります。
3つ目ですね。OPECプラスという会合が昨日まで開かれ、方針が決定されました。元々は、OPECの会合は非会合。これまで、会議の内容は表に出てなかったため、中身がどのように話し合われてるかは、昔までオープンになっていませんでした。
そのため、発表の中身しか分かりませんでしたが、最近コロナの影響で、全員で集まる機会がなくなり、オンラインとかそういったもので開催されています。そのせいで、中身が結構漏れてるっていうような、ちょっと裏話もあります。
さて、今回、何が起こったかと言うと、OPECプラスの中心国であるサウジとロシアの両巨塔が今回協議をして、当初の方針としては今回もコロナがすごく広まっていて、タンカー輸送や、飛行機の乗る人が減ってるということもあり石油需要が低下、停滞してるということで、引き続きこれまでの通りの減産、つまり、多くの石油を供給しないような状態を続けて価格を高く維持しましょうねという方針が打ち出されてました。
増産部分よりも減産部分が多いということで原油価格は、需要と供給のバランスが取れた形になって、ついに50ドルを超えて来たという状況になっています。
サウジとしては、これからも高い原油の価格で売りたいという意向と、ロシアとしては少しでも多くの量を売りたいという思惑が出て来たことが分かりますが、
この協調体制というか、関係性が続けば、これからも原油価格が上がって行くことが想像されます。
アメリカは原油を大量に生産する国ではある一方で、使用量がとても多い国なので、原油価格が上がって来ると、インフレ期待でアメリカの金利が上がってきます。つまりインフレになる可能性があるということが言えます。
さて、この3つの要因から金利が少しずつ上がって来ています。やはり今後も金融政策、財政政策を見ながら金利がどのように変化していくかということにしっかりと注目して行けば、今後のマーケットの株価の下落だったり、債券価格の上昇や下落だったりということが見えて来るかと思いますので、引き続き物価が上昇するようなきっかけ、金融政策の変更のきっかけを、しっかりこのチャンネルを通じて確認していただければと思います。
ファミリーオフィスドットコムでは無料で⾃信で⾏っていただける資産管理から、
エキスパートによるオーダーメイド型の資産管理まで、様々なサービスを提供しています。
[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 来週の為替注目点 日本株先週の振り返り 10月1 …
本日のテーマは『米国株今週の注目材料 企業業績と長期金利そして需給環境!』です。 アメリカの大統領選挙を3週間 …
世界が注目するBRICSサミットの概要 2024年10月22日から24日まで、ロシアのカザンでBRICSサミッ …
中国株市場が再び脚光を浴びています。国慶節連休が明けた直後から上海総合指数は連日上昇し、10月8日には上海総合 …
[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 来週の為替注目点 日本株先週の振り返り 先週の株 …
米大統領選まで1ヶ月を切りました。2024年11月5日に投開票、2025年1月20日に就任式と約3ヶ月後には新 …
10月9日に衆議院が解散し、27日の総選挙が近づく中、市場では「選挙は買い」というアノマリーが再び注目されてい …
本日は『ソフトランディングの場合、S&P500とセクターへの投資のどちらがリターンを狙えるか』をお伝え …
[ 目次 ]1 日本株先週の振り返り2 日本株今週の見通し3 来週の為替注目点 日本株先週の振り返り 先週の日 …
[ 目次 ]1 日本株今週の振り返り2 来週の日本株市場の見通し3 来週の為替注目点 日本株今週の振り返り 今 …
本日は、米国株利下げ後に期待できる投資対象をお伝えします。先週のFOMCにおいて0.5%の利下げが決定されまし …
2024年9月18日、米連邦準備理事会(FRB)はFOMCで予想を上回る0.5%の利下げを決定し、市場に衝撃を …
米8月消費者物価指数(CPI)は、前年同月比で2.5%の上昇となり、市場予想の2.6%を下回る結果となりました …
本日のテーマは米国株とドル円です。 一般的に米国の利下げ局面では、米金利が下がるため、ドル安/円高になる、とい …
6日に発表された8月の米雇用統計は、非農業部門の雇用者数が前月比で14万2,000人増加したものの、市場予想を …
資産管理に正しい見積費用はあるのでしょうか? 例えば、資産運用の金融商品だけみても相当数あり、手数料は個別に異 …
ファミリーオフィスをつくりファミリーの資産管理を永続的に成長させる。 これがファミリーオフィスの究極的な目的で …
ファミリーオフィスとは、欧州や米国では広く認知されており、資産管理においてはとても優れたシステムだと周知されて …
ファミリーオフィスに依頼をすると費用が高いのではないかといことを良く質問されます。欧米からスタートしたファミリ …