ファミリーミッション・ステートメントで資産を守った例

ファミリーミッション・ステートメントで資産を守った例

前回に引き続きファミリーミッション・ステートメントを作成する重要性をお話したいと思います。今回は、ファミリーミッション・ステートメントを作っていたことで、うまく資産を守れたケースです。

前回は、ファミリーミッション・ステートメントがファミリーオフィスに欠かせない理由、資産を守るために不可欠な要素であることをお伝えしました。合わせてご一読ください。

地元の名士

この方は、代々、収益不動産を取得し、それを賃貸に回すことで、家賃収入を家業として暮らしているご家族でした。地元の方からも信頼が厚く、いろいろな方に頼られていたそのお父様が亡くなりました。

個人保証で多額の債務

その方は、地域で幅広くいろいろな方のビジネスをサポートをされ、ある方が経営する会社の、保証人になっていました。その方が亡くなってから数年経って、銀行から連絡が入りました。その内容は、お父様が保証人になっていた借入人が疾走し返済不能状態になり、延滞が生じて、保証人としての負担、莫大な遅延損害金の請求が届きました。

アドバイスは他人事

ご家族は、金融機関から紹介された弁護士をはじめ、いろいろな方に相談をしました。その、ほとんどの方は、この遅延損害員を含む借り入れを返すためには、売却額が高い不動産から順次売却をし借り入れ返済に充当すればいい。元本部分と延滞部分をすぐに返すべきだと提案でした。

ファミリーミッション・ステートメントに従い判断

ですが、その家族は、ファミリーミッション・ステートメントを作成していました。そこには、不動産で、家賃収入を得ながら絶やさないとされており、それに従い2つの行動を取ることを、提案しました。

金融機関との交渉

1つ目は、今不動産の価値が上がっています。金融機関に掛け合い、不動産担保融資の枠を増やしてもらい、枠の増額で遅延損害金の借り入れ返済への充当ができないか交渉すること。金融機関との長い取引もあり、また、担当者に借入額が増えても物件を売却しなければ返済できるエビデンスを提出したことで、根抵当権の枠を増額してもらうことができました。

セカンドオピニオンの重要性

2つ目は、今意見をもらっている方以外に、セカンド、サードオピニオンをもらいに行くことです。いろいろな専門家、弁護士や税理士に意見をもらうことです。資産管理では、その対象となる専門領域が多岐に渡ることで正直なところ、専門家とはいえ得意不得意が存在します。自分の課題に合った専門家に相談することが不可欠ですが、ファミリーミッション・ステートメントのような指針がなければ、妥協して判断することになりかねません。

この方は、結果として、銀行の融資枠は増え融資を引っ張って負債を返せるだけの目途がつき、弁護士、税理士に銀行や保証協会と話し合い参加してもらい負債額を大きく減らすことに成功しました。最終的には、借り入れ額は増えたものの、持っている不動産を売らずに返済でき、ファミリーミッション・ステートメントを守ることができました。現在では、返済の順調に進め、余剰資金で収益資産を増やすことを検討する状態になっています。

このように、目先ではなく、自分たちがこうありたいという姿をしっかりと定めていたことが、資産防衛につながった実例です。しかも代替わりにより資産を継承場合は、ファミリーミッション・ステートメントなどのような運用・管理の指針が不可欠です。世界の富裕層も活用しているファミリーミッション・ステートメントを作成してみてはいかがでしょうか。

メディアでご紹介いただきました

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